コラム・特集

1.3 品質保証システム

IEハンドブック

第8部 品質保証

第1章 品質保証システム

1.3 品質保証システム

品質保証のサプシステム
品質コンセプトはすでに設計品質,製造品質,市場品質の3つに分けた これと同様に,品質保証のコンセプトも次の3つに分けて考えられる。

1.設計の品質保証 これは,製品およびその製造プロセスと方法の,品質に影響する特性の計画/仕様決定およびコントロール,および確実に意図通りに利用してもらうようにするための色々な方法,製品のメンテナンス,サービスといったことに関する基本的な決定事項の計画とコントロール.

2.製造の品質保証 最終製品が設計品質にどのくらい近いものか,その程度を計画/指定しコントロールすること。

3.マーケティング/サービスの品質保証 これは,マーケティング/メンテナンス,サービスその他の製品に対する消費者の印象および実際の使用経験にかかわる活動の方針,方法, レベルを計画/決定しコントロールすること。

こういった3つの部分が,品質保証のトータル・システムにおける主要部を構成する。

また,これらが図表8.1.3に示すように,いくつものサブシステムから成り立っている。コントロール・システムをフィードバック・メカニズムとして考えれば,こういったサブシステムは計画するなり指定するものか,コントロールするか評価するかの,どちらかの性格をもっている 後者を言いかえれば,どのくらい一致しているかを調べ,分析し,比較し,仕様に合わせる修正アクション,調整アクションの基盤を作る。


図表8.1.3では,直接コントロールと間接コントロールを区別している 前者は仕様にもとづき,製品と製造プロセスを直接コントロールすることで,後者は,計画した仕様なり施行した仕様が適切なものであるかを評価することである。

品質保証の機能
これまでに品質保証システムが,互いにインタラクションをもついくつものサブシステムからできていることをみた その機能も同様に,品質保証にとって欠くことのできない,いくつもの一般的活動と仕事から成り立っているとみることができる こういった活動なり仕事がそれぞれどのくらい重要なものかは,個々の企業のタイプなり特徴により異なる.しかし,これらは色々な規準のもとにいくつかのグループに分類することが可能である図表8.1.4では,次の3つに分類している。

・製造とマーケティングの準備に関連する仕事と活動
・製品と原材料の流れに関連する仕事
・一般的仕事


製造とマーケティングの準備関連活動

1.新製品に関する日標とレベル設定 この活動では,マーケット分析,ニーズの明確化を行うが,これらは設計品質を決定する際の基礎となるものである.やらなくてはならないことの中には,新製品に関する品質レベルの決定および品質パラメータの決定がある。この他にマーケティング,製品の使用,メンテナンス,サービスといった活動のうち品質に関わる部分についての色々な決定およびこういった活動なり仕事の方針の評価

2.予防的品質保証 これは次の仕事を通して品質を埋め込むすべての活動である.
・製品開発と設計
・製造準備,すなわち工程設計と製造方法の計画
・マーケティングとサービスの手順,およびそれらの基本的方針の決定
・最終製品検査

3.コントロール準備 この機能には次の3つの主要な活動がある
・品質仕様を決める
・検査に関する計画をつくる
・測定方法と機器の決定 原材料と製品の流れに関する活動これは品質保証機能中のコントロールおよび評価部分に属する.

4.購入先の品質調査と受入検査による品質管理 購入先の企業についてその品質能力を評価し,品質に関する諸条件を満足する育ヒカがどのくらいか予測する その評価対象としては相手企業の品質保証システム,手順,設備,機器といったものである.

5.製造内品質管理 この中には次のような仕事が含まれる。
セットアップの承認――これはマシン,ツール,機器,材料といった製造に必要な配置なり準備が,製品が仕様通りに作られるように調整されていなくてはならず,その承認は最初の製品を検査した結果出される.
プロセス・インスペクションー―これは現時点でのプロセスの検査である。この目的は,製造による欠陥を防ぐため,プロセスがコントロールされた状態にあることを確かめることである。
ロット検査―― ある工程から別の工程へ移っていく半製品についての検査.抜取検査を行うこともできる。
トラブルシューティングー―コントロールされていない状態になったプロセスを元に戻すための分析.

6.最終製品の品質管理 その時点での最終製品検査は,品物が市場に出ていく前の不良品をチェックする最後のチャンスである

7.販売/サービス関連品質管理 このコントロール機能には,市場における欠陥の発生に気をつけることも入る この他,消費者の一般的反応を見ていることも含まれる。すなわち,製品なリサービスを不可用した顧客が,品質レベルおよび品質パラメータを決定した際に意図しただけの満足をしているかどうかをみることである.
一般的活動
品質保証の機能を果たすには,すでにみた2つの分野に属さない,他の活動も品質保証システムの中に含めなくてはならない

8.品質目標と方針の設定 目標と方針は,企業の品質保証実施計画の基盤となる 品質目標と目的の中には,製品の品質レベル,品質パラメータの相対的重み付けに関する決定も含まれる 品質目標からいくつかの品質方針が導かれ,これが品質目標を達成するために,いくつかの主要機能を実施する際のガイドラインとなる

9.品質コスト,品質収入のコントロール 品質保証に関連した予算の適切な管理活動の中には,色々なタイプの経済分析,予算作り,予算管理も入る 分析対象は色々あるが,品質保証がうまく行われないことによるマーケット占有率なり収入への影響も分析評価される 例えば,品質が劣るというイメージがあるためだとか,品質レベルが正しく設定されていないためにオーダーを失ったり,収入が減ったりするという影響である。この他に,どこがコストが大きくなる原因になっているのかをみつけるとか,有意義なコスト削減プロジェクトが選定できるように,そのためのバックグラウンド情報を提供するとかの目的のための分析もなされなくてはならない

10.品質および品質管理に関する教育訓練 品質および品質管理は,企業内の多くの部門に影響をもってくるので,教育訓練を同時に行わなくてはならない。こういった活動は,その内容と形は異なるかもしれないが,企業内のあらゆる部門のあらゆる組織レベルに対して行わなくてはならない。企業内だけでなく,企業の外でも教育訓練は行われるが,具体的には,検査といった個別の技法に関する学習からトップ向けセミナーまで色々ある。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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