コラム・特集

8.1 生産量と生産方式

IEハンドブック

第7部 製造工学

第8章 ロット生産を対象としたコンピュータフイズド・マニュフアクチャリング・システム

8.1 生産量と生産方式

複雑な金属製品(典型的なものは機械の部品)が生産されているところでは,生産量は1回の注文で1個から何十万個までの範囲になる。製造の形体は生産量に依存する。すなわち,小バッチ生産,中バッチ生産,大バッチ生産または「マス・プロダクション」である。図表7.8.1に各製造形体の典型的な設備と,注文サイズやユニットごとの相対費用を示す.複雑な金属製品の生産ではマス・プロダクション以外の生産形体が70%以上を占めている」また,そのようなアイテムの少なくとも50%が50ユニット以下のバッチ生産で作られている?

数値制御工作機械は従来の工作機械と比較して,特に小バッチ生産での生産性を高めてきたが,機械から機械への自動運搬は行われない 生産の「理想」形体は,汎用工作機械のフレキシビリティ自動トランスファ・ラインの高生産性を結合するものである。このような概念を実現したのは,1960年前半である。そのなかで最もよく知られているものはMolineによるSystem24,Sundstrand(現在のWhite―Sundstrand)によるNCNCLine,およびVARIABLE MISSION Manufucturing Systemである。

Sundstrandのラインは統合されたNCシステムであった。これで生産される部品は飛行機の電動ジェネレーターに用いる変速ギヤのマグネシュウム合金製のハウジングである。約70種類の異なるハウジングの型(30cmより少し大きめの立方体に入るもの)はロット・サイズが25から300で作られている。システムの機械加工部門は8台の5軸マシニングセンターと2台自動多軸ボール盤である。これらの工作機械は2列に据え付けられ,それらの間には「コンベヤ・ループ」がある。このコンベヤは端に相互接続機(cross―connector)のついた平行な2つのパワー・ローラーコンベヤである。

工作物は手作業でパレットに取り付けられ, コンベヤに乗せられた後,システムを循環する。それぞれのパレットには工作物を示す機械コード板があり,各機械にはコード読取り装置がある。

機械が工作物のパレットを読むと,そのパレットは自動的に止められ,加工するため機械のテーブルに運ばれる そして次の機械加工(または別の適当な加工)についての情報をテープリーダーが自動的に読み取る テープにプログラムされた作業が完了すると,パレットをコンベヤに戻す。その後,パレットは準備された計画順に,決められた次の加エステーションにいき,すべての加工が終わるまでこの作業を継続する。

機械加エステーションの他に, システムは洗浄,蛍光塗料検査(fluorescent dye inspection),耐腐食処理などをするところがある。自動倉庫は機械加エライン上に設けられており, オーバーヘッド・モノレール・コンベヤで,パレット取付けステーションに運ばれ,部品6,000個以上保存する。

およそ100台の従来の工作機械があり, 125人の作業者を必要とする工場をNCラインに換えた。工具の保管や整備,設備の検査や保全や監視など,このラインのすべての機能を使うのに必要な作業者は25人である。その製品の品質は良く,加工時の在庫量も40%に縮小された。コンピュータ帝り御がされていなくても, このシステムは,後に構築される多くのコンピュータライズド・マニュファクチャリング・システムのプロトタイプとなった。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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