コラム・特集

7.7 グループ・テクノロジーの経済性

IEハンドブック

第7部 製造工学

第7章 グループ・テクノロジー

7.7 グループ・テクノロジーの経済性

経済的利益と正当性
グループ・テクノロジーを適当に実行すれば,より効果的な設計になり,在庫品,購入品が少なくなり,簡単な生産計画と管理,最適な順序づけと負荷計画,ツーリングと段取時間の削減,工場滞留時間が短縮され,高価な機械がより有効に利用されるようになる.主な経済的利点は図表7.7.12に示されるようになる。


現在の普通の方法と提案されたグループ・テクノロジーの方法とを比較し,コスト解析の応用をとおして, これらの経済的な解析をすることが望ましい 経済的正当性はグループ。テクノロジーを実行するときの鍵である色々の公式と方法が経済分析のために開発されている.そしていくつかの例が次に示されている。

グループ・テクノロジーをうまく応用すると経済的な利益が大きい。しかしながら,図表7.7.13に示される例のように,相当の費用がシステムの保全のために必要であるから,新しい節約の効果を期待するには,いくらかの時間が必要である。

 

比較費用解析
グループ・ツーリング費用
グループ・テクノロジーを応用することの利益の1つは,工具設計の合理化,ツーリングと段取時間を減少させることである。そして, これは全体としてツーリング・コストと生産コストの減少を導く。従来のツーリング方法のコスト解析に比べて, グループ・ツーリング(グループ・ジグと取付具)のコスト解析は,ツーリングにおけるグループ・テクノロジーの本質的な応用になる。

1 .従来のツーリング法
CtW1 =PΣ i=1 CW1(i)

ここで,
CW1=ジグ,あるいは取付具の費用$
CW1=p個のいろいろのジグあるいは取付具を用いた全ツーリング費用$
p=用いられている種々のジグ,あるいは取付具の個数
である。

2.グループ・ツーリング法
C`″2 =Σ Cα (i)+CW 2
ここで,
CW2=グループ・ジグ、あるいは取付具の費用$
CW 2=q個の種々のアダプターをもつグレープ・ジグあるいは取付具を用いたグループ・ツーリングの全費用$
Cα =アダプターの費用$
q=一群の部品の生産のために用いられるアダプターの個数

3 単位ツーリング・コスト
a.従来のツーリング法

図表7.7.14に示されるデータでは,従来のフライス削りの取付具に用いられる従来のツーリング方法と,マスター・グループ取付具とアダプターに用いられている新しいグループ・ツーリング法とを比較している

パート・ファミリー,あるいはグループにおける種々の部品の数に対して,従来の方法とグループ・ツーリング法の全ツーリング・コストC′ ″と単位ツーリング・コストCWが計算され,図表7.715に表にされている.パート・ファミリー,あるいはグループの部品の数の関数としての全ツーリング・コスト(Ctw)と単位ツーリング・コストCu)がそれぞれ図表7.7.16図表7.7.17に描かれている。


これらの図に示されるように,従来のツーリング方法に対する全ツーリングの増加の割合は, グループ・ツーリング法の全ツーリング・コストよりも非常に大きい。

単位ツーリング・コストからみると,パート・ファミリーの部品の数が増加するにつれて,グループ・ツーリング法に対する単位ツーリング・コストは,通常のツーリング法に比べてはるかに経済的になる。そしてそれはパート・ファミリーの部品の数には影響されない また,全ツーリング・コストのグラフと,単位ツーリング・コストのグラフとが適当なツーリング法を選択,意思決定する損益分岐点を示している。

グループ機械加工費用
グループ機械加工は,グループ・テクノロジー応用のもっとも重要な特徴の1つである。グループ機械加工は色々の技術的な点から有利である。しかし従来の機械加工法でグループ機械加工法の利点を確かめなければならない。

1.個々のツーリングをもつ部品の単一ロットに対する全機械加工費用は次のように表すことができる。
C′ “=C。(TrNO+Ts)+D′
ここで,
C′ π=全機械加工費用 $
C。=労務費 $/分
T`=1個当りの単位機械加工時間 分/個
NO=ロット・サイズ 個数/ロット
Ts=1ロット当りの段取時間 分/ロット
Dt =1ロット当りのツーリングの減価償却 $/ロツト

2.従来の機械加工とグループ機械加工におけるパート・ファミリーn個のロット,あるいはn種類の部品に対する,全機械加工費用は次のように表すことができる。
a 従来の(個々の)機械加工

 

 

 

 

 

n=パート・ファミリーの部品の数
TC2=グループ機械加工による1個当りの平均単位機械加工時間 $/個
TS2=グループ機械加工におけるロット当り,段取時間(パート・ファミリー当り),分/ロットあるいはパート・ファミリー
Tsa=グループ機械加工におけるアダプター1個当たりの段取時間,分/アダプター
Dt2=グループ機械加工におけるロット当り,あるいはパート・ファミリー当りのツーリングの減価償却費,$/ロットあるいはパート・ファミリー

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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