コラム・特集

7.2 パート・ファミリーの形成と機械のグループ化

IEハンドブック

第7部 製造工学

第7章 グループ・テクノロジー

7.2 パート・ファミリーの形成と機械のグループ化

方法と手順
パート・ファミリーは,同一性と類似性をもつ部品のグループと定義することができる。それらは図表7.7.1に示されるように,同じ幾何学的形状をもち,そして同じ加工条件をもっている。部品の形が同じでなくても,共通の生産作業を必要とするならば,パート・ファミリーとしてグループ化される。あるいは逆の場合もパート・ファミリーとしてグループ化される.部品は同一の機械と同一の工程が用いられ,形,順序,ツーリングの条件が同じであるとき,生産作業が同じであると考えられる。

パート・ファミリーをグループ化する場合,部品の数と製造の頻度が考慮されなければならない。加工条件とロット頻度の類似性が大きければ大きいほど,機械のグループあるいは加エセルを形成し,最適順序づけ機械負荷のためのスケジュールをするときに,有効になる。

似た部品をパート・ファミリーにグループ化することはグループ・テクノロジーを行うための鍵である.問題は,部品がこれらのファミリーにいかに有効にグループ化されるかということである。パート・ファミリーを作るために用いられる3つの基本的な方法がある。(1)マニュアル・ビジュアル・サーチ,(2)プロダクション・フロー・アナリシス,(3)分類コーディング・システム。

第1番目の方法は大変簡単であるが,多くの部品を取り扱うときにその有効性に限界がある。 一般に他の2つの方法はパート・ファミリーと機械グループあるいは加工セルを形成するときに用いられる。

プロダクション・フロー・アナリシス
プロダクション・フロー・アナリシスは,機械や工場のワークステーシヨンを通して,作業順序と部品のルーチングを解析するための技術である。共通の作業とルートをもつ部品がグループ化され,そしてパート・ファミリーとして同定される。同様にパート・ファミリーを作るために用いられる機械とワークステーションは,機械グループあるいは加工セルを形成するためにグループ化することができる。

この方法によってパート・ファミリーを作っている例が図表7.7.2に示されている。この方法をうまく用いるためには,会社はルーチングの信頼すべきデータソース,あるいは作業票を確実にもたなければならない。

この方法の利点の1つは,パート・ファミリーは作業表あるいはルーチングシートからのデータを用いて作られるから,パート・ファミリーは分類とコーディング・システムがあってもなくても作ることができるということである。

分類コーディング・システム
分類コーディング・システムは,部品の起源や使用を考えずに,システムの特別なパラメータに基づいてパート・ファミリーを形成する。とくにCAMへの応用に対して, このようなシステムはグループ・テクノロジーの概念を有効に利用するときの本質的な必要剰牛になる「分類」とは,ある原理あるいは類似性によって集められ,明白な相違によって分けられるシステムによってアイテムをグループにすることである。「コード」とは,数字あるいは文字,それらの組み合わせがある意味をもっている情報処理に用いられる記号のシステムである。多くの分類コーディング・システムが世界各国で開発され,用いられている。公式に利用可能なシステムを用いてコード化された部品の例が図表7.7.3に示されている。


グループ・テクノロジーの応用のための分類とコードは大変複雑な問題である そして多くのシステムが開発され,それらを改良するために努力がなされているが,全世界的に認められたシステムはまだない。各企業は各企業独自の要求をもっているから,企業のニーズと要求に適応する適当なシステムを捜すことが必要である.管理だけでなく,設計・技術。計画・管理,製造・ツーリングを含む,企業のすべての関係部局が利用できることが大切である。
グループ・テクノロジーの応用のためには,特定のパラメータを基礎にしてパート・ファミリーにグループ化されなければならない 図表7.7.l.aに示される部品のパート・ファミリーヘのグループ化の例がコーディング・システムを用いて,図表7.7.4に示されている。

加工セルのレイアウト
ー般にプラント・レイアウトには3つの基本的な型がある。すなわち,(1)大量生産ライン・レイアウト,(2)機育旨的レイアゥト,(3)グループ・レイアウトである。

グループ・テクノロジーの実行において, 1つのパート・ファミリー,あるいはそれ以上のパート・ファミリーを生産するための機械のファミリーは,その部品のファミリーに必要な作業をすべて行えるように形成される

機械それ自体は移動距離や待ちの問題を最小にするようにセミ・フローラインで配置される。その結果は現代のNCマシニングセンターに大変類似している。もしも条件が満されるならば,マシニングセンターは専用機械のグループの代わりに用いられる グループ・テクノロジーの概念に基づいて工作機械の従来の機能レイアウトとグループ・レイアウトは,それぞれ図表7.7.5a表7.7.5bに示されている。図表7.7.5bはグループ加工セル・レイアウトの特徴を図解している。


パート・ファミリーを加工するための機械グループ,あるいは加エセルを形成することは十分に設計された分類コーディング・システムが導入されているならば,比較的容易である。またプロダクション・フロー・アナリシスの技術を用いて,機械グループ,加エセル,あるいはパート・ファミリーを形成することができる。 ここで,工場内の機械を通過する部品の作業順序とルーチングは図表7.7.2に示されるように作業表,あるいはルーチン表から得られる情報を用いて解析される。

各パート・ファミリーはそれと関係するグループの作業をもつであろう。作業のこのグループは,ファミリー内で各部品を 加工するために必要である機械と装置の型を示す部品のファミリーで各ジョブに対する作業に必要な時間の量は,ロットサイズ,段取時間,機械加工時間のような基礎資料で決定することができる。これらの時間は,グループあるいは加工セル内の各機械に対して,どれくらいの容量が必要であるかを決定するための基礎となる。パート・ファミリーの形成とグループ化は,グループ加工セルの各機械に対する時間当りの機械負荷の計算を容易にする。

グループ・テクノロジーの実施においては,グループの中の機械の利用を最大化するようにする。そのためには,(1)類似の型の部品を加えること,あるいは2つまたはそれ以上のサブ・ファミリーを吸収し,基本的なパート・ファミリーを拡張すること,(2)同じ機械グループで2つあるいはそれ以上のパート・ファミリーを機械加工すること,である。

与えられたパート・ファミリーに対する,機械グループ,加工セルを形成するための機械負荷計算の簡単な例が図表7.7.6図表7.7.7に示されている。

機械負荷解析は,パート・ファミリー#1は外丸削りに対して2,783時間, フライス削りに対しては1,721時間,穴明けに対しては1,085時間,研削に対しては3,367時間必要とする したがって, 2台の旋盤, 1台のフライス盤, 1台のボール盤, 2台の研削盤が必要である。
グループ・テクノロジーの応用に対して,機械のグループ・レイアウトは多くの利点があるけれども,いくつかの問題を含んでいる。例えば,作業者と機械利用とのバランスをとることが難しい また適当な監督者をみつけることが困難である。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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