コラム・特集

6.7 NCの応用

IEハンドブック

第7部 製造工学

第6章 数値制御機械

6.7 NCの応用

NCを正しく評価するためには,その実態を正しく理解することが必要である。まず第1に,NCとは制御手法であって機械加工の手法ではない。NCは,魔法のように5馬力の主軸に10馬力の能力を与えるものではない。

切削工具が切削を始めたら,金属除去速度はNCあるいはマニュアル機械制御の機能には関係なくなる。NCの手法は,はるかに効率的に正確に,機械の運転を制御するだけである。このようにNCは,伝統的な大量生産手法が適用できなかった機械加工分野に適用可能なのである。NC機の理論にかなった工作物とは次のようなものである。

1.従来の加工法を用いて加工したときに,総製造コストのなかでツーリング・コストが多くかかるような工作物.

2.従来の機械加工において,機械加工時間に比較して,長い段取時間を必要とする工作物.

3.小さなあるいは変化するロット・サイズで機械加工される工作物.

4.部品に広範な多様性があり,頻繁な段取替えと多くの工具在庫が必要であるような工作物.

5.需要に周期性があるために,間欠的に生産される工作物.

6.精密公差を必要とし,また複雑な形状の工作物.

7.完成間近な部品のように,ヒューマン・エラーをすればたいへん高くつく工作物.

数値制御されているのは,実質的な機械加エシーケンスであるから,機械操作員は従来の職務から解放されることはない。操作員はプログラムをかけ,工作物をセットし,そしてプログラム・シーケンスを開始させるために立ち会わなければならない。操作員は発生が考えられるあらゆる事故,動作不良あるいはやっかいな出来事を監視しなければならない 事故などは,プログラマーにとって貴重なフィードバック情報源になる。

従来の工作機械の場合, さまさまな工作機械の動きをうまく統合するために,操作員には熟達した運動神経が必要であった。NCによって,操作員の役割は全体の作業の監督者や職長としての役割に代わった。操作員は,機械加工技能,鈍化していく切削工具の音,そして不測の事態が発生した場合にとるべき処置についての知識をもっていなければならない。操作員は,プログラムの機能を最高にするためならば,送りと切削速度の小さな変更をすることも許される。

NCは,最適化と効率を高めるために重要であるので機械加工工程に導入することを考えるべきである。重要なものは,計算機を利用して得られる計画と,実証されたデータに基づく作業によって培われた知識や経験であり,それは自然に,グループ・テクノロジー,ショップ,フロア・コントロール,部品表体制,計算機援用品質管理,計算機援用生産計画,そして最終的に,完全に統合された計算機援用生産設備のような,他のCAM(computer aided manufacturing)応用のさらに実用的な理解へとつながる。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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