コラム・特集

6.6 工作物プログラミング

IEハンドブック

第7部 製造工学

第6章 数値制御機械

6.6 工作物プログラミング

プログラミングは,手計算による方法,あるいはコンピュータを利用する方法によって行われる.手動プログラミングの場合,プログラマーは,工作物を加工するために必要なNC機のあらゆる動作を数式化しなければならない。輪郭を書き出し検査した後,テープ,ディスケットあるいはその他のプログラムをストアする媒体作成をキーボード入力によって行う。最初の工作物を加工して点検した上で最終的な校正がなされる 手動プログラミングは,数個の穴あけか直線フライス削りしか必要としない程度の,きわめて単純な工作物には適当であろう。

経験的にいえば,幾何学的に複雑なフライス削りを伴う工作物,また多数の加工個所のうちいくつかに,加工の共通性がある工作物であれば,計算機援用プログラミングが不可欠である.手動であれば数日あるいは数週間を要するプログラミングが,計算機を利用すれば数分でできるのである(図表7.6.1参照)。

計算機援用プログラミングは,特殊な処理言語が使用されている.計算機は,切削工具あるいは機械加工工程についての知識を持っていない 工作物に関する記述が入力されれば,計算機が機械加工命令を出すような処理言語がある。

工作物,適合作業の論理的川頂序,基本的な機械加工工程そしてNCがどのように機械加工工程とつながっているかを理解することは,やはリプログラマーの責任である。計算機にできることは,プログラマーが実行しなければならなかった計算の速度を速めることだけである。計算機は,迅速さと正確さには貢献するが,プログラミングの過程において何ら創造的な思考は行わない。

計算機によってプログラミングがどれほど速くなるか,ということを示す例として,簡単なボルト穴の円が考えられる。手動であればプログラマーは,各穴の座標位置を計算して,各穴のセンター穴あけ,面取り,そしてタップ立てを数式化しなければならない。

これでは,12個の穴加工に対して,言己述プログラムのデバッグだけで数時間はかかるだろう。適切なNC処理言語によって計算機で処理したならば,必要事項を数式化しそれを計算機に入力するところまでで5分,データを処理するのに1分弱,プログラム・テープあるいはプログラム・ディスケットを作成するために2, 3分かかるだけである。

最も古く,有力で広く使われている処理用言語がAPT(Automatic Programming of Tools)である 劇は,初め航空機産業に導入されたNC機のための工作物プログラマーの養成の目的で,AIA(Aerospace Industries Association)によって作られた。

この事業は処理装置を発展させるため, 1961年, シカゴのIITR(Illinois Institute of Technology Research)と契約して行われた。その後14年間に,処理装置のために数百人/年の付加的開発が行われた。APTは,ほとんどの計算機に適合し,そしてその能力はさらに増進された。その後APTは,テキサス州アーリントンのCAM―I(Computer Aided Manufacturing―International)に引き渡され,それが現在も保存されている。

APT言語は権利無効状態にあり,その完全な文書は611 Ryan Plaza Drive.Suite 1107.Arlington. TX 76012のCAM―Iよりわずかの料金で入手できる。APT以外にも,商業上の購入あるいは時分割によって利用できるNC処理用言語が50種類以上ある。その完全なリストは,NC/CAMガイドブックに載っている。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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