コラム・特集

5.2 ロボットのアームと手首の構成

IEハンドブック

第7部 製造工学

第5章 産業用ロボツトエ学

5.2 ロボットのアームと手首の構成

ロボットのアームの構成について述べるには,各構成によって生ずる「作業領域」の型に関して述べなければならない。作業領域はロボットの基部装置が固定されているために,アームの届く範囲によって決定され,またアームの動作である3軸によって決定される。その3軸とは,アームの水平なスイープ(sweep:中心軸の回りの回転か水平軸に沿った直線運動),垂直動作,アームの伸びである。アームの構成は軸の組み合わせで生ずる作業領域によって決定される。

したがって。すべての産業用ロボットのアームは次の構成分類.すなわち円筒状,極座標状,関節接合,のいずれかに入る。


円筒型G状型ともいう)のロボットのアームは,作業領域が円筒の一部であるためにそう呼ばれている。このようなロボットは,基部上を回転できる垂直な円柱または柱に取りつけられた水平のアームからなっている。アームは円柱上で,伸び縮みし,上下に動き,円柱は基部上で回転する。したがって,円筒型ロボットのアームの構成は,2つの直線軸と1つの回転軸を持っている(図表7.5.1)。

極座標型の構成は,戦車の砲塔の構成に似ている。アームは水平軸上を伸び縮みし,旋回し,そして基部の回りの水平面を回転する.このような構成は,1つの直線軸と2つの回転軸からなっていて,これによって作業領域は球の一部となる(図表7.5.2)。

関節接合型のアームの構成は,“人間に似た”あるいは“関節のある”とも言われるが,人間の腕とかなり似たように動く。この構成では,アームは基部(base)または胴体(trunk)から伸び.「肘(elbow)」で接合され,そしてアームと基部とが結合する「肩(shoulder)」で接合される。

基部は回転動作を行う。この構成は3つの回転軸からなり,また,その作業領域は球の一部となる(図表7.5.3)。

ロボットの基部自身が軌路を動く場合には四角形の寸法がアームの構成の型によらず別に加えられる各構成ではロボットのアームは3軸または3「自由度(degree of freedom)」に従って動く。これら3軸はX―Y―Z空間でのアームの位置決めをする。さらに3自由度が,一般に「手首」と言われているアームの先端に与えられている。

手首の軸は「回転(roll)」(アームの端に垂直な平面での回転),「縦揺れ(pitch)」(アームに沿った垂直面での回転),「振れ(yaw)」(アームに沿った水平面での回転)の3つである。このような手首の軸は,作業領域の形や寸法にほとんど関係しない。それらはX―Y―Z空間における点についてアームの位置を与える(図表7.5.4)

多くの手首が産業用ロボットに使用されているが,それらの普通の機能は「エンドエフェクター」(end一effector :ロボットがその作業を実行する工具またはグリッパー)を,正しい位置にもってくることである。手首の構成は動作軸(自由度)の数によって決定され,また軸が回転か曲げのものや,これらの回転と曲けの組み合わせや連続のものであるのかによって決定される。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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