コラム・特集

3.3 価値の本質と価値の測定

IEハンドブック

第7部 製造工学

第3章 価値工学

3.3 価値の本質と価値の測定

価値の本質と価値の測定について簡単に説明しないで,VEならびにVEのいくつかの技法について検討することはできない。価値は,対象の正の面の総和と負の面の総和との比率として理解することができる。

次の式はこれを表している。

価値= Σ(+)/Σ(-)         (1)

プロジェクトの選択
VE研究は以下のように行われる。

1.問題解決,要求は現実的で経営側から支持されるようにする。
2.成功の確率を高くする。
3.明確な目的をもつ。
4.研究分野の人々を重要視する。
5.依頼者とチームのメンバーを一体化する。
6.スポンサーまたは意思決定者は変化に適応できるようにする。

アメリカ国防省の刊行物にはプロジェクトの選択基準があげられている。

VEチーム
VEチームは普通3人から7人までのメンバーからなっている。メンバーが7人以上いれば,メンバー間の相互影響が複雑になり,異なる議論が生じ,グループが分裂しはじめる。チームのメンバーの数が奇数であることは便利である。それは議論が分裂する機会が少なくなるからである。チーム編成の際には次のことが非常に大切になる。

1.チームは学際的であり,各分野の代表が集まっていなければならない。これと同様に,チーム内の背景,見解.分野が均衡を保っていなければならない。

2.同僚のプレッシャーと策略を最小にするため,組織の階層が同じレベルのメンバーを選ばなければならない。

3.チームに意思決定者を含めることは,時には有効である。というのは,結果の容認はチームに誰がいるかということに左右されるからである。チームの意思決定者の力が強くなりすぎて“ボスの意思”が生じるようならば注意しなければならない。

4.1人以上のメンバーがVE過程に精通していなければならない。この代わりに。第二者的なベテラン(fcilitator)または外部のコンサルタントがVEの方法論を与えることができる。

5.メンバーの1人は,研究中の製品または問題の“専門家”でなければならない。チームのメンバーは次のようでなければならない。

1.少なくも研究中の製品または分野に精通している。
2.専門分野のデータ・ソースを知っている。
3 仕事に対して興味,動機,熱心さをもつ。
4 組織的な分野を代表しているうちは,協力したり,援助したりすることができる。

5.十分な時間があり。長い問,仕事に従事してプロジェクトを続ける。
6.「創造力があり,何でも受け入れることができ,変化の促進を望むことができる」。
7.寛大で他人との意思疎通をはかって仕事ができる。

実際には,この式はもっと複雑である。というのは,量が異なる多くの変数が取り扱われているからである。式(1)をさらに詳しく書くと次のようになる。

価値=mb1+mb2+… …+mbn/mc1+mc2+ … … +mcn      (2)

ここで,m=与えられた要因または基準の量
b=利益
c=費用

式(1)と式(2はどちらも一般的であり,アイテムとその代替案の価値を測定するのに用いる.精神物理学の分野で,式(1)と式(2)のパラメータを測定する方法が確立されている。L .L. Thurstone, S.S.Stevense ,他の文献では,物理的刺激と物理的でない刺激の両方に適用される。

定量的かつ主観的な推定の有効性と効用が求められ証明された。対象とサービスの有用な機能と特性の重要性を定量化するために,これらの技法を用いることができる。また、新設計もしくは旧設計の費用,困難さ,危険度。その他の負の要因を測定するために、これらの方法を用いることができる。

これらの方法は代替案を評価する場合に非常に有効である。パラメータの定量化によって,式(1)と式(2)で表現されている価値の測定が可能になる。パラメータを主観的に定量化する精神物理学の原理は.価値測定方法によって価値を測定するための基礎となる。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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