コラム・特集

8.1 安全を担当する専門家の育成

IEハンドブック

第6部 人間工学

第3章 安全管理

8.1 安全を担当する専門家の育成

最近,労働の安全化は,企業のIE部門のなかで,その重要性を増している。大きな企業においてはIE部門とは独立して,安全部門が設けられ,数人の専門のスタッフが,労働の安全化に専心している。こうした傾向は,法律(OSHA=Occupational Safety and Health Act労働安全衛生法,以下OSHAという.)によって,労働者の安全が要求されていること,また,その要求を十分に果たすためには,複雑な技術が求められること,安全を効率的に達成するには,工学的背景と人的要因の双方の専門的知識を持ち合わせなければ解決しないこと等によっている。

こうした安全技術者,安全担当者は数学,物理学,化学といった基礎的な知識と高度な工学的訓練をもとにした専門的知識を持たなければ対応できない状況になってきている。したがって,大学における工学部の教育のなかでも,こうした安全に関する専門教育が,電気工学,機械工学,電子計算機,経営工学とともに取り入れられている。いままでは,安全といえば物理的な設備に関心が集中していたが,安全に関する専門的知識を欠くことができないようになってきた。

最近の傾向として,大学教育のなかにこうした目的を達成するため,人間工学が積極的に取り入れられている。このような教育を受けた人が,基本的に安全担当者あるいは安全管理に責任を持つ人になるが,そのとき大学で受けた教育だけでなく,それに引き続いてさらに実学的な教育がなされる必要がある.この考え方をもとに,より高度な教育が強化され,さらに1970年以降は,NIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health)の援助によって労働安全衛生に関する幅広い教育が行われている。

安全教育を受けた専門家が育ったこともあいまっ企業としても,その有効性を認め,積極的にこうした専門家を安全管理者として登用し,安全管理部門の強化に努めている。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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