コラム・特集

7.5 オフイスと建築物

IEハンドブック

第6部 人間工学

第7章 手工具・機械・作業場の設計

 

7.5 オフイスと建築物

ここでは,特に人とその作業に関連するものについてのみ扱う。

ハードウエアの格納は別として,オフィスや工場は人々を風雨から守る。人々が建築物の中ですることは,大きく2つに分けられる.特別な活動を行うこととお互いのコミュニケーションである。 2番目のコミュニケーションは,指示を与えたり聞いたり,また安全面(たとえば,有害な作業場において監視したり,他から監視されること)においても重要なことである。そのほかコミュニケーションの重要な点は,人間にとって必要な社会関係である。

もし,コミュニケーションのために声を大にして叫ぶ必要があるならば,人々は,コミュニケーションをしようとしないだろう。したがって,工場の騒音レベルは,難聴者の基準をもとに設定してはならない。使用者は,機械の操作に関連して発生する騒音によって重要な情報を得ることができる。もし,作業者が,確実に操作しているかどうか確認したいならば,少し機械から離れた場所においても音が聴取可能であるべきである。もし,オフィスまたは工場の人々が,彼らの作業場で互いに話をすることが必要ならば,人と人の距離に応じて限界の騒音のレベルを設定することができる。図表6.7.7に,その関係を示す。

人々は,いつも他の人との接触を求めているので,作業場においては,作業を中断することなく,コミュニケーションが時々できるようにすべきである。人間の接触は,他人を見ることによっても維持することができる。したがって,孤立化した作業場は避けなければならない。孤立化した作業者が病気になったり,ケガをしたりすることは別として,多くの人は孤立すると不快になったり,心身の状態が悪くなる。人間の存在と活動は, 刺激することと活気づけることであり,環境が悪くなったときは,なんらかの徴候を現わす。自然な環境と云うことについては,工場の外を見ることができるようにすることにもあてはまる。一日の状況や,天気の様子が見えるような窓をつけることが,一般的には望ましい。大きな工場は,小さな工場やオフイスに比較して窓を必要としないかもしれない。視覚のつながりを絶たれると閉居恐怖症になるかも知れない.必要性がさほど強くないところならば,それは,快適であることを示している。

使用者が,会社からどのようにみられ,また評価されているかは,工場や事務所をみればわかるということは,あまり気付かれていない。西欧諸国においては,今日,上級管理者の生活スタイルと従業員の生活スタイルとの間に大きな社会的な差はない.設備が汚く,また修繕されないまま十分な管理がされていない汚れた建築物は,使用者が従業員を人として評価しておらず,従業員の快適さや感受性に対して,ほとんど注意していないことを物語っている。すぐれた作業成績は,作業者の自己動機づけのみから起こりうるのであるから,企業が作業者を,より人間らしい認識と感情を抜きにして,単に資源の1つとしてしか評価しないということは,まったくばかげたことだと思われる。

この見識は,おそらく,この章の全体にあてはまるものであるだろうし,また,このハンドブックの他の多くの章を通じても一般的なことであろう.IEは,産業における人間を対象として扱うものであり,そして,産業の効率性というものは,究極的にはそれらの人々に依存しているということがようやく認識されてきた。技術は,産業が活用する資源であり,そして,それは,人間と無関係なものではない。したがって,人間に適した作業場と機器を設計するということは,単なる親切でなく必要な唯一の方法なのであり,産業を効率化させる本質的な条件を生み出すために必要な方法である.作業設計に対するこのアプローチなしには,産業界には,身体的にもしまい,その克服に時間と労力をさかれてしまう。

精神的にも効率的な作業に対する障害物で乱れあふれてます。第1,そのような障害があってはならないのた。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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