コラム・特集

2.7 望ましい職務評価制度の主要点

IEハンドブック

第5部 人的資源の評価と管理


第2章 職務評価

2.7 望ましい職務評価制度の主要点

望ましい,あるいは満足のいくような職務評価制度の主要点を具体化しよう。

職務の特徴
明らかに職務評価の決定的な主要点は,評価が基礎にある職務の特徴である。これは我々に公正の概念を思いおこさせるが,この概念は前述の検討の中で公分母として取り扱われてきた 前述のように,給与に関する公正は本質的に職務に対する賃率の公正について考えている人々の側の主観的概念である。公正は,労働市場でのいろいろな職務の現行賃率に概念的に反映されている。なぜならこのような賃率は多分に現行賃率で働き続けたいと思っている限定された人々の需要と供給の相互作用の結果であるからである。

明言はできないが,ほとんどの状況下で,望ましい職務評価制度は職務の特徴による職務の評価ができるシステムであろう。その価値を集計した全額は,労働市場の現行賃率の標準と合理的に相関がある 点数法と要素比較法の両者で用いられた特質は職務要素である 職務構成要素法では,課業と職務の重要度のような構成要素である。我々の検討のために,点数法で用いられた要素一一要素についていわれていることの多くはまた他の夕イプの職務の特徴に関係があるようであるが一一について考えてみよう。

まず第1に,職務評価制度の多くは,理論的に比較し得る職務の評価となる傾向がある.この一般化は, ロビンソン(Robinson)他によって使われた職務の賃率を制定する4種類の異なった方法での結果の間の相関が.82から.95の範囲にあった研究によって確認されている。

たとえ推測が正しかったとしても,人間は労働市場での現行賃率の基準によって示されている職務の価値の合計を予想することから,もっと有効であろう制度を多分選択したり開発したりするであろう.容易に理解でき,必要とされている分析者の訓練の量や評価制度を維持する費用が当然制度の選択に影響を及ぼす。

与えられたどのような制度でも,妥当性の目的を達成するのにどの程度の効果を上げるか統計的に予測したり,あるいは効果を上げる制度を開発することすら可能である.これは実際には,統計処理による要素の同一であることの確認,労働市場での現行賃率のような職務の全体の価値のどのような基準ともひとまとめにして最も高い相関関係のある適正な統計的な重みづけの確認を含んでいる。

1.組織の中の代表的なサンプルになる職務を選ぶこと.
2.選択あるいは開発された制度からなる要素を用いている職務の評価.
3.サンプルの総ての職務に対して,総ての職務価値の基準値を書き出すこと,ここで総て硼務価値は,賃金あるいは給料調査またはその他の基準――組織内の賃率または専門家による評価のような一一によって決定された労働市場での現行賃率に基づいているのである。
4 通常は,回帰分析の形式をとるが,適切な統計的手続きを適用する.分類された要素と統計的に決められた重みづけは,その制度の賃率と理にかなった関係があるという納得のいく確信をもって組織でそれからは用いることができる。

職務構成要素法の主たる特徴は,職務の構成要素とその重みとの最適の結びつきが,統計的分析,特にサンプルの職務に対してこの構成要素についての価値と現行賃率のような職務全体の価値基準との間の関係によって決められる点にある。この分析結果は,用いられた体系の明確な職務分析の手続きがなんであろうと,そのデ―夕から評価される総ての職務に対する価値の指数を導き出すために,方程式へ変換することができる。

職務評価の信頼性
実践に影響を与えるような職務評価のもう1つの面は,調の信頼性の点である。これに関連して,「信頼性」とは,2人あるいは何人かの独立した評価者の評価の間の関係の程度,または同じ1人の評価者ではあるが,時期を変えて実施した評価の間の程度を意味している。信頼性は,普通はサンプルの職務に対する独立した評価の相関関係にある1組によって,あるいは時期をへだてて行った同一評価者の相関関係がある単独評価によって測定される 理にかなって妥当であるか否かを知るために,評価の信頼性を決めることは通常良い習慣である。異なった評価者間の相関は,むしろ道理上高く―。85あたりから.90以上――あるべきである。しかしながら数人の有能な評価者の評価を持ち寄ることは,1人のどんな評価者の評価よりも,信頼性のあるいろいろな要素を含む評価を作り出すことができることを付言したい。このような持ち寄られた信頼性は,ますます増訪日する傾向にあり,特に3~ 4人の評価者のときはもちろん,10人ほどに及んでさらに増加していく。

検 討
賃金・給料の管理者は,自分たちに襲ってくる矛盾するプレッシャーのために,たえずタイトロープの上を歩いているということを感じなければいけない。賃金・給料の計画は,従業員に積極的な労働の刺激を与えなければならない.同時に従業員に一般的に受け入れられなければならない 労働市場の状態と理論的に競争しなければならないし,組織の支払能力を守らなけれぎならない。明らかに,これらの多くの目的を満足させるような適切で安易な解釈はない しかしながら,問題に対する適切な洞察や知識は,満足するプログラムを開発していく過程を援助することができるのである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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