コラム・特集

2.4 伝統的な職務評価システム

IEハンドブック

第5部 人的資源の評価と管理


第2章 職務評価

2.4 伝統的な職務評価システム

職務評価システムは,一般には組織内での相対的な職務の価値の指数の誘導をもたらし,それは普通は職務についての個人個人の判断や職務のある特徴に基づいたりしている。判断は通常職務評価委員会の委員によって行われる。次にこれらの指数は, システムの中の網羅されている職務の賃率を決定するための基礎として用いられる。通常,賃率への変換は見本となる職務の現行賃率を決定するための賃金調査に基づいて行われる。実際それから,職務評価プログラムは組織がその職務の賃率を制定するか,または体系的な基礎を用意するので労働市場での該当の職務の現行賃率と穏当な一直線となっている。4つの伝統的な職務評価は,次の通りである。

1.序列法
2.分類法
3.点数法
4.要素比較法

序列法(Ranking Method)
序列法において,職務は通常判定した総合的な価値を基礎にして,相互に比較される.最も典型的なものは,これらの判定が職務をただ単に等級付けることによってなされる――それゆえ「序列法」と名付けられる。しかしながら職務を,例えば一対にした比較の手続をするようなことによって,他と相対的に判定することができるので,この方法は正しく「職務比較法」と呼べるであろう。 評価の信頼性は通常――問題になっている職務を,すでに熟知している人のほうが好ましいが――何人かを評価者にすることにより高められる.評価しなければならない職務がたくさんある場合には, しかしながら,それらの職務全部をよく知っている人を見つけ出すのは普通は難しい。 そこで,そのときにはすべての評価者が知っているような基準職務(Key job)に重点をおく必要がある。

分類法(Classiccalon Mettod)
分類法は,条件を含む尺度にのっとって,職務のいくつかのカテゴリー(等級基準)を制定することで成り立っている。このようなカテゴリーの1つ1つが,通常は定義され,時には実例で説明されることもある.この方法を用いる際には,それぞれの職務を判定された総合的な価値と, いくつかのカテゴリーの特徴との関連に基づいて,1つの特別なカテゴリーに分類する.分類法は,開発し使用するという面からは,どちらかといえば簡単なものである。

点数法(Point Method)
点数法は,おそらく最も一般に使える手続きである。次のような特徴かある(1)いくつかの職務評価の要素を用いる.(2)それぞれの要素の「等級」または水準に「評点」を割り当てる。(3)それぞれの要素の等級または水準により個々の職務の評価をする。そしてその要素や水準につけられた評点を,それぞれの職務に割り当てる(4)それぞれの職務の総評点の値を算出するための個々の要素に対する評点の値を合計する。 この総評点の値は,該当する賃金あるいは給料の賃率に変換するための基礎として用いられる。

2つの点数法の例が,ミドウエスト産業経営管理協会(Midwest Industrial Management Association,MIMA)の工場の職務とオフィスの職務のそれであるが,図表5.2.35.2.4でそれぞれ別々に示してある。それぞれのシステムは,それを構成している職務の要素と,要素ごとの異なった等級の評点値ならびに実現できる給与の職級に対する総評点の範囲(評点値)の表示がある要素のそれぞれとその等級は,図表5.2.5の例に示されたように定義される。

ここでの定義は,オフィス職務用のMIMA職務評価システムからの抜粋で,要素の「職責の複雑さ」と,そのさまさまな等級のためである 職務評価委員会の委員たちは,最も適切であると考えられる等級を指摘して,各要素についてそれぞれの職務を典型的に評価する(通常選定された最終の等級は,幾人かの委員の評価に基づいている) 職務の総評点は,いくつかの要素に対して職務に選定された等級の評点値の合計である 図表5.2.35.2.4,いろいろな総評点の範囲に該当する職務に対する職級を示している.図表5.2.6は,オフィス職務用のMIMAシステムのための,役員秘書の職務に対する職務評価明細書の例である。これは職務記述書と,職務への等級格付け(及び格付けに対応している評点)の選定を援助する具体的情報の要素に関するリストを含んでいる。

 

要素比較法(Factor Comparison Method)
要素比較法は, もともとベンゲ(Benge), ブォーク(Burk),ヘイ(Hay)“ によって,開発,記述された.この方法についての検討は,その独自の明確な言己述に基づいているが,特に開発に際しての手順に関しては顕著である 開発の過程は,時間がかかり複雑であった。しかし, システムがひとたび開発されると,その実施は比較的簡単であった。最初の段階は,仮定として15か20の「基準」職務を選定することから成立する これらの職務は,システムが包含すべき職務の類型を比較的表わしているべきであり,そして賃率が「満足だ」と思われ,いかなる異議も受けていないものであるべきである。これらの職務は,それから2つの手順で,ある一組の要素によって職務評価委員会の委員たちによって判定される.5つの創意に豊む要素は,次の通りである。

・精神的要件(Nlental requirements)
・技能要件 (Skill requirements)
・身体的要件(Physical requirement)
・責 任 (Responsibility)
・作業条件 (Working conditions)

基準職務は,最初,要素表のそれぞれに表われている総ての職務と共に,言及した要素の1つ1つについて評価される。評価は,通常何人かの人々によって独自になされ,その差異は合意のうえ解消される。次に職務は,評価プロセスにかけられる。そこで現行賃率(時間給または給料)のうち,どれだけが各要素に「支払われているJかについて職務評価委員会の委員たちの判断に基づいて,現行賃率を各要素に対し「金額割当」をする これは数多くの評価者により自由に行われており,これらの値の平均は各要素に対するそれぞれの職務の最終「賃率」として用いられる.次に基準職務の金銭の評価は,ランクのllH序に割り当てられる。

これらの2つの手続きから,それぞれの要素に基づく基準職務のランクの順位が2つある。第1は,それぞれの要素についての基準職務の直接のランク付けに基づいたもの,第2は,ランク付けのプロセスから生じる金額のランクの順位である。

これらのプロセスの結果の仮定の例が,図表5.2.7で6つの職務について与えられている(通常は,15か20あるいはそれ以上の基準職務が用いられる) この図表は,それぞれの職務の現行賃率, 5つの要素にい配分された”職務の貨幣額の要素の順位および直接のランク付けの手続きによって割り当てられたランクの順位を示している。

これら2組のランク付けの順位を論理的に導く主要な目的は,これらの間の何らかの矛盾を確認することである。与えられた例では,このような矛盾が身体的要件の要素に関して,柱立て職人と桟打ち職人の職務にみられる。このような矛盾が確認されるときには,調整しなければならない。あるいは問題の職務の1つまたは両者を,そのシステムを代表することになっている基準職務から取り除かねばならない 一度このような矛盾が解決されたなら,残っている基準職務を5つの尺度に,すなわち1つの要素に1つ作り,その尺度にその職務の貨幣価値の点を打つ 例えば次の尺度は,矛盾が発見された2つの除去の結果として使用し続けられるであろう4つの基準職務の精神的要件の要素のためのものである。

システムの実際の適用のときは,他の職務は個々の要素について,その要素の尺度を代表している職務と比較して評価され,各職務は各要素の評価を割り当てられる与えられた任意の職務の5つの要素の価値の合計は,その職務全体の価値である これらは実際の金銭的な価値であり,基準職務の賃率に相関がある.しかし,このような価値をすたれさせる現在のやや一般的なインフレ傾向のため, インフレの影響をなくすために調整する手続きがある。

 

要素比較システムの最初の開発以来,エドワード・Nヘイ(Ed ward N.Hay)と同僚たちは,管理と専門的な職務の評価に用いるための「ヘイ・ガイド・チャート・プロフィール・メソッド(Hay Guide Chart ProileMethod)と呼ばれるものを開発した、実際このシステムは,要素比較と点数システムの両者に起源がある.しかし現在の形態は,それとやや異なっている このシステムは,ヴァン・ホーン(Van Horn)14によって定義をされた3つの要素による職務の比較を規定している。 それは次の通りである。

1.ノウハウは,満足なパフォーマンスに必要な知識と技能であり,それがどのように得られたかにかかわらず全体の合計である
2 問題解決は,分析,評価,創造,推論じ結論に到着するため職務に要求されている創意に富む独力の思考の量である
3.責任は,行動とそれによって引き起こる結果について,責めを負うべきことである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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