コラム・特集

5.8 標準時間の設定法

IEハンドブック

4部 作業の成果測定と管理


第5章 ワ-ク・サンプリング

5.8 標準時間の設定法

直接労働に対する作業成果標準を設定する目的のためにはサンプリングを勧められないけれども,これはなんらかの産出単位に関係づけることのできる間接労働活動に対する部門予算を求めるのに非常に役立つ。もし標準を設定しようとするのであれば,遂行度レーティングについて訓練を受けたIE技師もしくは技手による観測が必要である(第4部第3章参照)。

ワーク・サンプリング調査におけるレーティングはストップウォッチ時間研究におけるレーティングよりもむずかしい。というのは,ワーク・サンプリング観測は理論的には瞬間になされるからである。最良の技手によってすら多数のレーティングをしそこなうことは,観測によるワーク・サンプリング調査に典型的なことである。すなわち,ワーク・サンプリング技手は,遂行されている作業のカテゴリーを決めるのにはすぐれているが,特定の観測巡回中に特定の作業者によって発揮されている努力とか,技能のレーティングには優れていない.

ある作業カテゴリー,たとえば「遊休」や機械が支配している作業に関するカテゴリーは,決してレーティングされない。その他のカテゴリーはレーティングされて,調査期間中に特定のジョブのために費やされた時間値は,作業が100%で遂行されたものとして,それに費やされた時間値に修正される。すなわち,もし,3=520/2000=0.26,調査期間の実工数が7=1600とすれば, ,37=416実時間がカテゴリー3のために費やされたものとして推定される.カテゴリー3に対して記入されているレーティング値の平均値R3が835とすれば,総実工数は次のように修正される。

R3P3T/100=(83.5%)(416)/100
=348.16修正時間

標準を設定するために調査で取り上げたいくつかのカテゴリーを,1つの合成カテゴリーにまとめることが必要になるかもしれない.この合成カテゴリーは,例えば出荷箱数,修理電動機数,ファイル報告書数など,なんらか数えることのできる産出単位の生産に結びつく,すべての生産的要素を含むべきである。

 

たとえばカテゴリー2,3,5が1つの合成カテゴリーにまとめられたとするならば, Pc=(″2+′ 3+″5)/Ⅳとなる(図表4.5.8参照).

合成カテゴリーの平均レーティング値は3つのカテゴリーに対して観測されたすべてのレーティング値を合計し,言己入されているレーティング値の総数で割ることによって求められる.図表4.5.8のそれぞれのカテゴリーに対してレーティングされた観測値の数はXより少ない。というのは,観測者によってレーティングされなかったものがあるかもしれないからである。

もし1つまたはそれ以上のカテゴリーがレーティングすることができないならば,そのカテゴリーのすべての観測値に対して100%のレーティング値を与えることにする。このようにして求めた平均レーティング値をRcとする.2cは単にR2,R3,25を合計し,それを3で割って得られる平均値,(907%+835%+760%)/3=834%,ではないことに注意しなければならない。

このようにして,標準時間は,

AF× R× p× T時間/100×OP時間/ユニット
すなわち,
OP×100/AF×R×p×Tユニツト/時間

ここに,
AF=小数点で表した余裕係数,1+余裕率(たとえば余裕率10%または15%に対して1.10または115)

R=平均レーティング値(%)
P=X/N =時間比率の推定値(小数点で表す)
T=総工数,人・時(または機械・時)
OP=時間比率Pに関連のある総産出量

推定値夕を求めるために多くの観測値がとられるならば,その推定値の精度は良くなる。ワーク・サンプリング手続の面から夕の精度に疑間がある場合,担当者によってはそのものを標準設定に用いるまえに,pのSDの2倍を加えた値でもってクを修正することがある。すなわち,

pn乗=p+2√p(1-p)/N

図表4…8の例では,この手続きの効果が次のように示される。

Pc※=08+2√0.8(0.2)/2000=0.8+0.0018=0.818

図表4.5.8の標準時間の計算で0.800の代わりに0.818を代入すれば,修正標準時間0.362時間/ユニットが得られる。
この夕からp*への修正手続は,全く保守的な考えに基づくものである。pは合理的に低めに修正されていることに注意すべきである。これと同様に,この修正は,p′の推定値としてのpの不確実性に対して補償しているが,しかしレーティング値Rの不確実性についてはなんら考慮されていない。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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