コラム・特集

3.6 要素作業への分割

IEハンドブック

4部 作業の成果測定と管理


第3章 時間研究

3.6 要素作業への分割

時間研究されている作業は,「要素作業」と称されるサーブリッグの集まったものに分割されねばならない。1つの要素作業は,ストップウォッチで測定することができ,かつ容易に識別することのできる動作終末点をもった作業の分割部分である。作業を個々の要素作業に分割するためには,時間研究員は作業者を数サイクルにわたって入念に観察しなければならない。もしサイクル時間が比較的長い(30分以上)ならば,その作業を要素作業に分割するために,時間研究員は1ないし2サイクルしか観測する必要がなかろう。極端に長いサイクルでは,時間研究員は時間研究を行いながら要素作業を記述していくことができるだろう。しかしながら,時間研究の開始以前に,作業を分割して要素作業を決めておくことが望ましい。

できるかぎり細かく作業を要素作業に分割するのがよい。それによって時間研究の価値が増すというのは,標準資料用として許容要素作業時間値を用いる可能性があるからである。もちろん,ストップウォッチの読みの精度に影響を受けるほど要素作業を細かくし てはならない。約0.04分の要素作業分割が,経験を積んだ時間研究員によって終始一貫読み取ることのできる細かさである。しかしなから,先行要素作業および後続要素作業が比較的長いならば,0.02分の短さの要素作業は容易に時間測定することができる。

要素作業の終末点を規定するためと,1つのサイクルから次のサイクルヘとストップウォッチを読むに当たって終始一貫性を保つためには,要素作業分割に当たって目に見えることと同様,音にも考慮を払わなければならない。大部分の場合,動作終末点は音と見えることとの両方によって識別することができる。工具を下に置く音や工具が切削開始または切削終了するとき聞こえる音などは,見えることよりも音によってより容易に識別される終末点の例である。

要素作業分割に関連して,時間研究員はいくつかの基本ルールに従わなければならない。これらのルールは

1.遂行されつつあるすべての要素作業が真に必要なものであることを確認する。もし1つ またはそれ以上の要素作業が不必要であると思われるならば,時間研究を中止して,適切な作業方法を展開するために方法研究を行わなければならない。
2.要素作業は,機械時間と手作業時間または非機械時間とを結合してはならない。
3.不変時間部分とそれと同一の要素作業の可変時間部分とを結合してはならない。 「不変時間要素作業 」は,作業工程に変化が生じても,あるいは製品の寸法に変化が生じても,その遂行時間が有意には変化しないような要素作業である。 「可変時間要素作業」は,大きさ。形状・硬度・公差などのような特性の1つ以上によってその遂行時間が影響を受け,したがってこれらの条 件が変化するにしたがって,その要素作業を遂行する。ために必要な時間が変化するような要素作業である。
4.特徴のある音によって終末点を識別できるよう要素作業を選定しなければならない。
5. 要素作業は,できるかぎり細かく,しかも正確に測定ができるような,適切な長さに選定しなければならない。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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