コラム・特集

3.4 時間研究の対象となる作業者の選定

IEハンドブック

4部 作業の成果測定と管理


第3章 時間研究

3.4 時間研究の対象となる作業者の選定

時間研究を始めるに当たって,職長または監督者と最初の接触をもつ。そして職長は,その担当部門の作業について時間研究が行われようとしていることを組合幹部に通知する。時間研究の対象となっている作業は,時間研究員と職長とによって調べてみなければならない。 そして,その作業が方法工学の観点から時間研究を開始してよいことに合意しなければならない。

しばしば,時間研究の対象となっている作業に複数の作業者が従事しているだろう。そのような場合,時間研究の対象として選ばれるべき作業者は,その作業者集団内の平均より上または平均よりいくらか上の遂行度の作業者であるべきである。この作業者は,適切な作業方法によく訓練され経験を積んでいなければならない。選ばれた作業者は,時間研究員および職長による時間研究前の作業方法観察中,作業を規則正しくかつ終始一貫性をもって遂行することを立証ずみでなければならない。選ばれた作業者は,時間研究の手続きに実際に精通し,時間研究員と同様,時間研究方法に信頼感をもっていなければならない。選ばれた作業者は,協力精神をもち,職長 や時間研究員による建設的な提案を受け入れなければならない。

ときには,時間研究の対象となっている作業にただ1人の作業者しか従事していないために,時間研究員は時間研究のために作業者を選択する余地がないことがある。

このような場合,時間研究員は作業者の作業遂行度をレーティングすることにとくに注意する必要がある。というのは,作業者はレーティング尺のどちらかの極端で作業遂行しているかもしれないからであり,しかも正常遂行度を確認するのに役立てるために時間研究の対象とするような作業者がほかにいないからである。

時間研究の対象となる作業者が決まったならば,その作業者に友好的な態度で接近し,その作業者が時間研究されようとしていることを知らさなければならない。 時間測定手続,遂行度のレーティング法,余裕時間の適用に関して,どんな質問でも尋ねる機会を作業者に与えなければならない。作業者が以前に時間研究をされた経験がない場合,その手続きを根気よく説明するのが健全なやり方である。作業者と時間研究員との間には信頼感が存在することが重要である。時間研究員は,作業者の信頼と敬意とを得るよう努めるべきである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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