コラム・特集

3.3 時間研究を効果的に行うための要件

IEハンドブック

4部 作業の成果測定と管理


第3章 時間研究

3.3 時間研究を効果的に行うための要件

時間研究が行われるに先立って,いくつかの基本条件が満たされなければならない。第1に,作業者は,時間 研究が行われるに先立って,遂行すべき作業方法に徹底的に精通していなければならない。この作業方法は,時間研究が始められるよりも以前に, IE部門によって是認され,すべての点で標準化されていなければならない。その上,組合幹部,職長,作業者にその作業が時間研究される予定になっていることを通知しなければならない。

職長は,時間研究に先立って作業方法をチェックし, 正しい器具が用いられていること,工具が正しい形状のものであること,正しい送り・速度・切込みであること, 潤滑が規格どおりに行われていること,適正な品質の材料が手持ちであることなどを確認しなければならない。

もし 時間研究に数人の作業者を利用することができるのであれば,職長はその能力の及ぶかぎり誰が最も 満足 的な時間研究をもたら すかを決めなければならない

組合幹部は,訓練された有能な作業者が時間研究対象者として選ばれるようにしなければならない。組合幹部は,時間研究が行われようとしている理由を作業者に説明する責任をもち,時間研究に関して作業者から提出された質問に回答しなければならない 。

時間研究手法は,作業者,職長,製品の成功,会社の成功に重要な影響を及ぼす1つの値を決定するために,ランダム・サンプルのデータを収集・分析する1つのサンプリング手法である。作業測定手法の重要性にかんがみて,有能な作業測定員にとって次のような特質が必要であると考えられる。すぐれた判断力,分析能力,誠実性,工夫力,自信,気転,忍耐,楽観性,愛敬,意気込み,清潔さ。作業測定員はまた,下記の要件を常に満足しなければならない。

1.作業方法が正しいかどうかを確認するために,時間研究に先立って,現行の作業方法を入念に調べる。
2. 作業者が用いている器具・材料。 手順について職長の是認を得るために,作業のすべての面を職長と共に調べる。
3.時間研究手続について,作業者・組合幹部・職長 によって提出されるどんな質問に対しても応答する。
4.時間研究の対象となっている作業方法のすべての詳細を時間研究用紙に記録する。
5. 公正な時間標準を作成することができるよう,適当なサンプルの要素作業時間を正確に記録する。
6.作業者の作業成果を誠実にかつ公正に評価する。
7. 適用可能な場合には,すべての正常時間に適切な余裕時間を適用する。
8.時間研究の対象となっている各要素作業に対して標準時間を正確に計算する .
9. 労使双方の代表者の敬意と信頼とを得かつ維持するようにふるまう。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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