コラム・特集

5.7 用語の定義

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング


第5章 機械干渉:作業員への機械割り当て

5.7 用語の定義

機械干渉問題を取り扱うための以下に述べる手法において使用する記号の定義と説明を行う。なんらかの一貫性のあるスケーリングが有効であるので,各時間値は, 手扱時間に対する比率として定義されることが多い。

機械を修理(手扱い,立会い,片付け,段取,調整 ) するための時間の長さには,作業員が停止機械に到着した後に必要なものをすべて含んでいる手法によっては, 機械が停止してから 作業員が到着するまでの時間も含めている手扱時間は,一定と仮定するものとランダムとするものとがある。

S=修理のための平均手扱時間(時間単位,たとえば分 )

したがって ,
μ =1/S=機械当りの平均手扱率(分当り台数)

機械が再び動き出してから 次に停止するまでの時間の長さを「生産時間(producuonime)」 (または,機械運転時間とか停止間時間)という通常,各機械は,それぞれ独立に停止する。共通の停止原因,たとえば,熱,停電,サージがない場合,あるいは,共用供給源を用いていない場合である。機械が実際に停止しているか,不良品を作りつつ動き続けているか,どちらの場合でも, 機械は停止しているものとする。

すなわち ,
P=機械当りの平均生産時間(時間単位 )

したがって ,
λ=1/P=平均停止率(単位運転時間当りの回数 ) =機械運転時間の分当り平均停止回数

手扱係数は,次のように定義することができる。
ある機械が停止したとき,作業員が別の停止機械の手 扱い作業中であると,ここに干渉(待ちまたは待ち行列 ) 時間が始まる。その作業員が,この機械の手扱いにかかれる時点まで続く すなわち , 

I=機械当り平均干渉時間(時間単位 )

歩行(または巡回)時間は,作業員が1つの機械からつぎの機械へ進むのにかかる時間であり,修理行為は入 れていない。ただし,歩行時間に検査時間を含めることはありうる。また,平均手扱時間に平均歩行時間を概算的に組み込むこともある。

W=機械から機械への平均歩行時間(時 F・l単位 ) 機械の手扱い以外に,作業員に与えられた仕事がある場合がある。機械の運転中に行うことのできる仕事もあるからだ。このような仕事は,機械の生産時間にはなんら影響を与えない。

ただ,作業員が忙しいかアイドル時間かの計算に関係するだけである。一方,機械運転中とは男 にしなければならない仕事もある。このようなタス クのことを「付随業務」と呼び,段取や調整を含めている。このほか「メンテナンス業務」という種類のタスク もある。すなわち

A=機械当りの平均付随時間(時間単位 )
M=機械当りの計画平均メンテナンス時間(時間 単位

合計平均サイクル時間は,生産,手扱い,干渉,巡回 , 付随,メンテナンス時間を足したものである。

C=P+S+I+W+A+M

ただし,P,生産以外の項目は,機械運転中には行われないものと仮定している。

サイクル時間に対する生産時間の比率が,機械(Me) の効率(efficiency)であり,機械活用度 (machine availability)と呼ばれることもある。機械効率は,サイクル時間の分数として計算される。

Me=P/C=P/(P+S+I+W+A+M)

巡回時間は,手扱時間に平均的に織り込み,付随や計画メンテナンスは無視して考えることが多い。したがっ て、

Me=P/C=P/P+C+I

完全生産(アイドルや手扱時間の必要性が皆無 )とは , 次の場合に起こる。

Me=P/(P+S+I)=P/(P+0+0)=1

Meは ,実際に得られる生産の正規化された測度であり , 通常は,待ち時間や手扱時間,干渉時間のために,完全生産の状態よりも小さい値をとる。
機械が実動している平均の台数は

N(Me)=N×(P/C)

である。もし,すべての機械が同種のものであれば,作業員は, 各機械の手扱いをするのに,そのサイクル時間Cに対する平均1単位時間を費やすことになる。作業員効率(operator efficiency)は ,経過時間のうち作業員が機械の手扱いをしている部分の割合である。すなわち

On=(S+W+A+M)/ C=(S+W+A+M) /(P+S+I+W+A+M)

効率ロスとは,手扱いおよび干渉時間のための生産ロ スである。

E=(S+I) /(P+S+I+W+A+M)または E=(S+I)/(P+S+I)

したがって、 E=1-Me

すべての時間値が,分や時間で表現されているとは限らず,別の任意的な「時間単位」のこともあるので注意されたい。この場合,パラメータの再スケーリングが必要となり,お互いの関係を比例的に変化させることになる。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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