コラム・特集

4.7 1つ以上のモデルを同時生産する時の組立ラインバランシング

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング


第4章 組立ラインバランシング

4.7 1つ以上のモデルを同時生産する時の組立ラインバランシング

多くの産業で生まれた製品が,同時に発生する需要を満たすために多様化してきて以来, 1つの組立ラインで,同時に1種類以上のモデルを生産することが実際的になってきた。このよい例が自動車産業である。そこでは同ー基本車種に対して,いくつかのモデルが同時に組立ラインの上を流れている。一般的に,各車種は異なる順序図を持つので,それぞれのモデルに必要な作業量は異なっている。このことは,ラインに一様でない作業の流れを引き起こし,個々のステーションに,不平等な作業要素分配をもたらす結果となる。モデルミックス・バランシングには2つの重要な問題点がある。

(1)ラインを流れるユニットの順序を決めること。
(2)各ステーションに,すべてのモデルのすべての要素を割り当てること。
後者は,単一モデル・ラインバランスのそれとは異なる問題である。

ミックスモデル組立ラインバランシングが可能な状況で, ミックスモデルは,単一モデル・バッチ方式に対する, 1つの経済性の面から見た代替案である。 そこには, 種々の在庫品が種々のモデルの流れの間に立ち並び,段取替えが1つのモデルから他のモデルヘ切り替わる毎に発生している。しかし,その答は種々の単一モデル組立ラインバランスの組み合わせより,バランスロスが大きいミックスモデル・バランスのほうが,コストが安いかどうかという点にある。

異なるモデルを組立ラインに流す順序の決定は , ミックスモデル組立ラインバランシング問題の重要な部分である。ラインに沿った各ワークステーションは,特定の技能,固定した工具,あるいはその両者を備えた作業員を配置する。こうし た順序でユニットを流すので,1つのステーションが,交互に負荷が多かったり少なかったりすることはない。その1つの例は,ハンダ付けの行われているステーションである。このステーションでは, 6つの異なるモデルが順に流れてくる。ところが,3つの連続ユニットには,ハンダ付けをしなければならないが,他の3つのユニットについては,ハンダ付けが必要でないことがある.この場合,どのユニットに対しても、ハンダ付けをする順序のほうがすぐれていると言えよう。

ユニットを不均衡な時間間隔(異なる間隔)でラインに送り出すやり方が,先に述べた問題のむずかしさを軽減することもある。しかし,あくまでもラインには ,一定の順序に従って,ユニットを流すことが望ましい。というのは ,適切な時間に受け入れなければなら ない ,下請の組立ラインや購入,組立部品との調和が取り易いからである。

ミックスモデルの流れ作業で.良い順序を決めるために,多くの手順が提案されている。

その最終目的は,異なるモデルで,各ステーションの負荷をバランスさせるための順序を決めることである。仮に,作業者に流動性 (ユニットが動く時,作業者も作業をしながら短い距離を歩行する)があるとすれば,最適な連続メソッドが, ラインの連続ユニットの組立てをする際の作業者の過激な動きを最小にすることができる。ソモポーラス,ダーエ ル,クローサー,その他の者が提案したメソッドは,こうした考え方に基づくものである。

ソモポーラスの書いた図表3.4.9は ,異なる物理的制約を持つ4つのタイプのステーションに対して , ミックスモデルラインの連続モデルによって生ずる。作業者の動きを示したものである。それは,仮に作業者が決められた範囲の時間までに作業を終了しないと すると,補助作業者がそれを手伝う仕組みである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー