コラム・特集

4.6 組立ラインバランシング法

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング


第4章 組立ラインバランシング

4.6 組立ラインバランシング法

先行順位マトリックスと(先に述べた)組立ライン変数との機能的関係は,組立ラインバランシング・アルゴリズムヘの基本的インプット項目である。この章で議論されているすべての基本的アルゴリズムは,試行錯誤法または,動的計画法やブランチ&バウンド法などの最適化手順のいずれかを用いて,先行順位マトリックス上で作業を行うものである。多くのコンピュータ適用技術が文献で紹介されている。あるものは学術的興味だけのものもあり,またあるものは工業的適用に重要な意味を持つものもある。ここでは試行錯誤法である位置重みづけ法(ranked positional weight method)を紹介する。

1961年 ,ヘルジソンとバーニーによって報告された位置重みづけ法は,基本的組立ラインバランシング・アルゴリズムの解決に役立つ。しかし,これは工業的に適用されたものに比較すると,単純なアルゴリズムである点に注意しなければならない。現実には,物理的ライン制約や工具制約と同様に,もっと多くの要素や順序制約があるため,より複雑なものでなければならないということである。

先に定義した9つの要素の問題を用いると,ヘルジソン・バーニーの組立ラインバランシング法で要求される。要素時間情報を付加するには,先行順位マトリックスに2つの追加欄が必要となる(図表3.4.6)。

このマトリックスの最初の列は,各要素の作業時間値 (時間)を示している。マトリックスの最後の列(11列目) は,マトリックスの各列に示す要素の重み値を含めた数字である。要素の重み値は,要素の作業時間値と,+1の関係を持つすべての要素の作業時間値との合計である。例えば,要素4の重み値は,005+001+004+005+004+006=025のように計算する。

組立ラインバランシングにおける,位置重みづけ法の基礎理論は,各ステーションのサイクルタイムがオーバーするまで,順序制約にしたがって重み値が減る順番に, 各要素を1つのステーションに割り当てることである。

もし, 9つの要素の順序図で定義された製品が,40時間で285個を生産する計画をしたとすれば,位置重みづけ組立ラインバランシング法では,どのように組立ラインを設計したらよいであろうか。サイクルタイムは,次のように計算する。

先に述べたように,ヘルジソン・バーニー法の欠点はステーションに順序制約や割り当てられないアイドルタイムが残る時,重み値が減る順番に,各要素をステーションに割り当てる点にある。ワイルドが示した,図表3.4.7のフローダイヤグラムは,各要素をステーションに割り当てるステップを明確にした。コンピュータ・プログラムは,このダイヤグラムにしたがって書くことができる。フローダイヤグラムにより明確になったロジックにしたがえば,図表3.4.8に示す3つのステーションラスが,その答えになるはずである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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