コラム・特集

3.5 連合作業分析図

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング


第3章 分析図法

3.5 連合作業分析図

 何台かの機械や何人かの作業員からなる作業システムで,同期的または同時的に行われる諸活動の分析図を,連合作業分析図という その作業システムを構成する。 機械や作業員ごとに該当する欄を横にならべ,それぞれの作業要素の相互関係を,時間目盛で示している。

同義語は,連合アクティビティ・チャート。

人や機械など複数の主体からなる作業システムでは,それらの作業や活動の相互関係によって,作業能率や設備効率が大きく 影響されるものである。この分析図では同じ時間軸に沿って,これらの作業や活動の相互関係を図示しているから,改善に有効である。 流れ工程分析と違ってこの分析図は,個々の工程ごとに作られる。ただし1人の作業員が2個所以上を繰り返し移動するような工程は別である。

人数や台数に無関係に,作業員と機械の組み合わせの分析には,人一機械分析図(マン・マシン・チャート), 複数作業員による連合作業の場合は,組作業分析図とよぶ。組立ラインは一種の連合作業と考えられる。

用 途

本来どの分析図でも,改善案の説明や売込みに使えるが,とくに,この連合作業分析図は便利である。 多数の作業員や機械の組み合わされた大型作業システムの内容は,この分析図なしでは,説明がむずかしい。 また現在の連合作業における,作業員や機械のバランス不良によるロス時間の大きさも,この分析図から把握できるから,その効率化に有効である。さらにこの分析図から,連合作業システムのサイクル時間が求められ,これが標準時間設定の基礎時間となる。

作成要領

記録用紙
 ある連合作業を構成する人や機械それぞれに対応して, 縦欄を設ける。各欄のなかは,さらに作業のステップごとに作業内容分類を示す縦棒と,その横に簡潔な説明欄の2つに分割されている。図表3.3.10は人―機械分析図のもっとも簡単な例である。

符号
作業の各ステップの作業分類を表示するため,縦棒に各種の濃淡や彩色をする。図表3.3.10では,作業員も機械も同じように縦棒の濃淡で稼働やアイドルを示す。マンデル(M.E.Mundel)は,図表3.3.11に示すよう符号を提案している。これはニューヨーク大学のポーター(D.B.Porter)が提唱したものである。各符号の縦棒の長さは,そのステップの所要時間を示し,各ステップの時間的関係は,縦方向の同一時間軸で表示される。

記録方法
現在の作業方法の分析には,時間はストップウォッチで測る作業の1サイクルを完全に記録しなければならないが,サイクルの最初の動作の開始点から,分析記録を始めるほうがよい。組作業の観測には,個人別の時間をとるために,作業員の数に応じて,多くの観測担当者が必要である。

ストップウォッチより,映画またはビ デオカメラのほうが,記録の便利さと時間測定の正確さで優れている。ストップウォッチによる直接時間研究の代わりに,M T Mのような既定時間方式(P T S)の時間を使うことがある。生産開始前に新しい作業システムを設計しなければならぬような場合には,この方法は絶対に有利である。

流れ工程分析符号の利用

時間値および各作業の相互関係の表示に,さほど厳しい精度が必要でなければ,時間目盛の代わりに,流れ工程分析で使った図形符号を使うことがある。時間は普通の腕時計で,概略的に測定する。 図表3.3.12にその分析例を示す。この方法による観測では,まず第1の作業員の行う。各作業ステップ,すなわち符号別の時間を,大まかに測る。つぎにこの時間を参考にして,第2の作業員の時間を,その符号別に見積もる。勿論この分析図の縦方向の長さは,必ずしも時間に比例しているわけではない。このような符号別概略見積りに比べて,時間目盛を使った前述の分析を,とくに連合作業時間分析図とよぶことがある。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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