コラム・特集

3.3 その他の流れ工程分析図

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング


第3章 分析図法

3.3 その他の流れ工程分析図

作業工程図
製造またはサービス活動の内容を,符号で図示したも のである。これは現状または予定の作業や検査の工順や 使用材料も示し ている。必要な作業時間や検査時間,あるいは部門名を付記することもある。同義語は,概略工程図 。

この図は,主要な作業や検査だけを記している点で, 製品工程分析図の概略図と考えられ,書き方も同じである(図表3.3.5)。この工程図は,流れの初めから終 わりまで,一覧で全工程の全体像を与える。

事務工程分析図
これは事務工程の流れを符号で示したものである。 これは対象が帳票であるという点を除くと,流れ工程分析図と同様である。これには,部門名,処理内容,移 動,仮保管,正規保存,点検または確認,帳票の廃棄, 帳票相互に受け渡しされる情報の種類と起点などが示される。使われる符号は,事務内容にふさわしいように変形される場合がある。

 

 

 

同義語は,情報処理分析,帳票機能分析,帳票分析図,事務流れ分析図,手続流れ分析図普通の製品工程分析図と比べると,この場合の「製品」は,帳票および(または)情報であり,製造工程に相当するのはこの場合,事務手続あるいは事務システムである。

符号にはこれといって標準的なものはなく,専門家によって多少の違いがある。 しかしいずれにしても「関連」符号以外は,普通の流れ工程分析図とほぼ同じ符号を使う。

事務処理の主体は,本来は帳票ではなくて情報そのものであるから,情報の受渡しが行われる「関連」という処理は,事務工程分析のなかでは,中心的な業務である。 帳票は情報伝達の手段にすぎない分析の対象は,あくまで情報の流れであって,たんなる事務作業ではない。

作成要領

符号
クロース(G.C. Close Jr.)はスタンダード・レジスター社(Standard Register CO)が開発した。つぎの符号を紹介している。


分析図の書き方と記録方法
事実を収集するには,各帳票のコピー1枚ごとに記録用紙を替えて,その流れを記録していくこうすると, 各用紙に書かれる分析図は,普通の単一型流れ工程分析図と同じになる。そしてこれら多数の個別分析図を集めて,図表3.3.6のような最終の事務工程分析図を組み立てるのである。 帳票が受け渡しされる部門ごとに縦線で区切っ た分析用紙を使うことがある。さらにこの部門欄を,担当者別に縦線で細分する場合もある。

コンピュータによる情報処理
近年,オフィスでは,これまでの手作業事務が急速にEDPにとって代わられつつある。このような状況にあっても,事務手続の分析と設計には,この事務工程分析図はきわめて有効な技法である。ただEDP固有の処理に対して,新たに別の分析符号を追加する必要が生じている。この問題に対して,たとえばIBMシステム・フローチャート・マニュアルでは,図表3.3.7のような符号を使っている。これはコンピュータによる情報処理に対して適用される,国際標準機構(ISO)の要件にも 適合した符号である。 この分析例を図表3.3.8に示す。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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