コラム・特集

3.1 はじめに

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング

第3章 分析図法

3.1 はじめに

分析図の目的
作業を主な構成部分や単位に分解し,図示したものが,ここに説明する各種の分析図である。これは方法工学のなかで,もっとも重要な技法の一つで,作業方法の分析と改善に有効である。

 方法研究の基本手順というものは,つぎのようになっている。
1 研究対象の選定(select)
2 関係するすべての事実の記録(record)
3 この事実の精査(examine)
4 現実的,経済的かつ有効な,最 善の方法の開発 (develop)
5 その実施(install)と維持(maintain) このうち,作業の記録,精査および開発の段階で,この分析図法が使われる。まず,記録としての使い方から説明しよう。

分析図というものは,工程や作業の内容の説明や,情報伝達の手段としても,有効である。標準の符号や規約にそって書かれた簡潔な図によって,工程や作業の内容がよく理解できる。

次のような使い方が,それである。
経営者に対する改善案の説明。
工場レイアウト立案時の簡単な工程情報。
標準作業方法にそった作業訓練・複雑な事務手続の流れの要約など。

 

分析方法

時系列的な分析
これはある工程を,時間を追って,イベント(事象)やアクティビティ(活動)に分解する方法である。このうち工程分析図には,製品(または,材料)か人かの分析対象の違いによって,二通りの方法がある。

製品工程分析図(製品タイプ)
作業工程図(製品タイプ)
事務工程分析図(製品タイプ)
作業員工程分析図(人タイプ)

移動とアクティビティの流れ
分析図は,移動の経路を示すのに用いられる。 移動の主体は,製品,材料,および (または)人のいずれかである。これはふつう,工順についての情報に限られる。

連合作業の時間干渉
多数の人や機械からなる連合作業において,時間的な関係を同じ時間軸で図式的に表すと,各対象に関するイベントの相互関係が明らかになる。このときの対象となるものは,人 ,同一人の各身体部位,および (または) 機械などである。
代表的な分析図はつぎの通り
・連合作業分析図
・両手動作分析図
・ネットワーク線図

データ記録装置
 映画フィルムのほかにビデオのような電子機器が,方法研究に広く使われるようになってきた。これらの機器は,微細動作研究,長いサイクル時間の作業,および連合作業分析に,とくに有効である。しかしこれによる記録情報は ,後で分析図に転記されるのが普通であるから, 分析図法に代わるものではなくて,むしろ便利な補助手段というべきである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

 

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