コラム・特集

2.6 改善メソッドの定量化

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング

第2章 動作研究

2.6 改善メソッドの定量化

視覚化
ある与えられた仕事を遂行するのに必要な動作を,視覚化できる。 図に表すことを視覚化という。フィルムに収められた,あるいはチャートに表現された手順をわかり易くするために,P T Sや視覚化手法によって表現する。

フィ ルムは「改善前」の方法を示しており,工具の利用や新しい方法を視覚化するための基礎としてそれらを使う。

フィルム分析資料の記録や図は,流動の要素を示している。これらの要素の時間は,P T Sや標準資料,それは要素を積み上げていく方法で求める。改善前および提案される方法のサイクルタイムは,その可能性を実際に行ったときの比較のために使う。

標準資料からデータを検索するために,コンピュータを使うことは,改善方法を視覚化するのに役立つ。 標準資料は,新しいあるいは変更された方法の時間値を即座に設定することができる。こうした時間値は提案された新しい方法を確かめるのに,それぞれの項目の優先順序を決めるのに役に立つ。

同時動作分析では,コンピュータはある与えられた状況に対して,正しいロジックを示すことができる. M T M―1の時間値とルールを適用した 4 M コンピュータ・プロ グラムの作業配分指数(MAI)という方法がある。この指数は,サイクルタイムに対して,いかに両手に仕事が割り当てられているかを示してくれる 50%という指数は,一度に片手が使われているのみであることを示している。100%ならば,両手を完全に使ったことになる。MAI計算から異なった代替作業方法を視覚化し,比較し分析に役立てることができる。

試行
実施に先立って,新しい方法の効果を試行によって確 かめておかなければならない。 新しい作業を研究所での組立てをやってみて,実施に移る前によく評価 しておくべきである。さらに改善を考えつき,時間値を低減させることになる。そのとき,M T M-1,-2,-3と いった P T Sを活用すると便利である。 実際にかかるであろう時間は,考えだした新しい方法と同様にこの方法で求める。

新しい方法を確かめるのに別の方法がある。 管理者の援助は,実際の生産をしている間にテストに参加してもらうことによって得 られる。 こうすることによって,提案を認めるかどうかということに参画する環境を作り出していくことになる。 付加的な改善は,その試行のときに行う。図表化技術は参加する人の説明に活用すると便利である。

もちろん,新しい方法の時間値のチェックは,時間研究で行う。 観測すべきサイクル数はその頻度から求めることができる。より自信を高めるためには,できるだけ多くのサイクルの時間研究が必要となる。あるメソッドの試行のときに標準資料を適用してみる そのとき,標準資料を使うことは,その方法を確かめるのに役立つ。 試行は提案された新しいメソッドを確かめるために,動作研究を適用するために必要である。

コストー効果の選択
 先の章で仕事の問題について,データを集め分析するための方法を述べてきた。 最適解を得るための方法が示されていた定量化し,確かめる手順も述べてきた。最後はコストー効果を考えることである。その新しい仕事の方法はコストを下げ,生産性を向上するか ?

この視点で,意思決定のプロセスで最後の質問をして みるべきである。

・その問題を解決するためにいくつかの答を求めたか ?
・生産量にどんな影響があるか?
・従業員は参画していたか?
・労務費に関するすべての費用は判っているか ?
・付加的な装置を提案する必要があるか ?
・購入する工具を種々調べたか?

現状と提案するメソッドについて,比較をする時間値を決める。 生産の各ユニットの比較時間は,費用のかかる装置のことを考えることなしに,コストー効果の基本的な計算とする計算例は次のとおりである。

年間節約=(C―P)× U× L

ここで ,
C=現状の1個当り時間(時間 )
P=改善方法の1個 当り時間(時間 )
U=年間生産量
L=時間当り労務費

 作業方法の改善に当たって装置や工具等が必要なときには,償却費を年間節減金額より差し引くこの情報で管理者は代替提案についてコストー効果分析をして意思決定をする。 選択された方法は,生産性を向上するのみでなく,品質や従業員の満足ということにも配慮する。このことは提案したものの価値を管理者が強調するのに重要なことである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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