コラム・特集

2.1 はじめに

IEハンドブック

第3部 メソッド・エンジエアリング

第2章 動作研究

2.1 はじめに

人や機械が行っている仕事というのは,普通移動によって遂行される. その正確性と時間に関して移動の有効性は,移動距離,コントロールの程度および移動が行われた条件によって決まる。

動作研究は仕事に含まれているすべての移動を調べるために種々の手法を適用することである. この研究は人,プロセス,部品あるいは書類の移動に適用する,手を延ばす,胴をまげる,歩くおよび移動するということには , 余計な動作が含まれているかも知れない,そして結果として身体部位作業の時間が多くかかることになる. こういった動作がよく繰り返されるようならば,可能なアウトプットを少なくすることにならてしまう. 同様に機械装置の不完全な作業は,出来高を下げ,ムダを増やすことになる. こうしたことは装置や人間に危険をもたらすことにもなる. 動作研究の目的は,人間の努力とシステ ムあるいは機械的機能の双方に関係する行動の各側面の有効性を増大するために,その欠陥をみつけだし,それ を理解することである. 動作研究は,生産個数当りの所要作業時間を短縮するために,人の努力度の向上を要求することなく,不良を減らし,しかも最適のコストにすることを結果として求めていくものである。

どのような調査に使うためにどんな動作研究手法 (motion study technique)を選択するかということは,予測される結果のコストー効果分析を行って決める. たとえば,微細動作分析では,1分間1,000コマで撮影されたフィルムの観測時間1分毎に12時間の分析時間が必要となろう. それは25フィートのフィルムを1コマ毎に分析していくことになるからである. このような研究方法は,大量生産や短いサイクルタイムの人間の身体部位

作業にのみ有効な方法である. たとえば,組織全体にかかわるような書類の仕事であればフローダィャグラムがその仕事の内容を調べるのに役立つ選択する. 研究手法は,遭遇する 問題に対して適当なものでなければならない。

最初に理解しておくべきことは,多くのインダストリ アルエンジニアの努力と同様に,動 作研究(motion study)は対象となる人達も含めるように進めていく変更の可能性は研究に先立って行うこととする. そしてなくすべきまずいものを取り除く多くの研究が作業時 間の短縮であり,1個当りのコストを低減することの効用をよく考えておくべきである.こ のような変更が,しばしば同じ労働力で高い生産性を実現することになる. 行われている仕事が限定されたものであれば,何人かの作業者は別の作業に移されることもある.エ ンジニアは関係している作業者の立場をよく考えるべきであり,管理者はその人達が行うのにぶ 、さわしい他の仕事を確保するように考えるべきである。

動作研究によってもたらされる方法変更はどんな場合でも,迅速に仕事の割当てを行う. 生産性の向上は結果であり,その仕事をしている人の努力の増大なしに行わ れるものではない。

この種の調査研究をするときの今一つの考慮点であり,調査研究の一部とすべきことは,変更をするのに要する費用である. おおまかに言って次の3つに変更を分類することができる。

1 最少の経費でできるものたとえば,現在設備の最少の移設や工具をいうものである。

2 取付具の製作や装置に補助装置をつけるというもので,その年の内に減価償却できるものである。

3 設備装置に対する投資.費用の支払いに何年も要するものである。

この章は,エンジニアがある状況の事実にもとづいて,それに合った適切な方法の選択に役立つ情報を与えるものである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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