コラム・特集

1.2 システムの運用方法の記述

IEハンドブック
第3部 メソッド・エンジエアリング

第1章 メソッド・エンジエアリング

1.2 システムの運用方法の記述

メソッドとは,”システム″と呼ばれる仕事のネットワークを通じて,目的または機能を達成するために,インプットされてからアウトプットされるまでのプロセスに,いくつかの資源がいかに使われるかを示すものである.システムとは,人的,物的,情報的資源の組織的活用である。それは,社会学的,物理学的環境の下で,一つあるいは複数の目的を達成するアウトプットに至るために,インプットを変換したり,インプットに作用したりするものである.システムは,ファイルの引き出しを整理するような小さなシステムやメソッドから,巨大な協同組合,機関の運営のような大きなシステムやメソッドに至るまで,あらゆるサイズに存在するどのシステムを取ってみても,それは,どこかで他のサプシステムと結びつく,よ り大きなシステムの一部なのである(図 表3.1.1参照)

それは,大きなシステムのメソッドをデザインした時に,小さいサブシステムのメソッドもその中に含むことを意味している。大きなシステムが,あまり複雑すぎてデザインできない場合には,いくつかのサブシステムに分けて,それぞれのメソッド毎にデザインすることもある。

メソッドを総合的にデザインするには,システムの大きさに関係なく,8つの要素を考慮しなければならない各要素には5つの次元があり,それぞれシステム・マトリックスを形成する.このマトリックスと制約条件。正常性という2つの欄が,メソッドデザインのフレームワークとなる(図表3.1.2参照)。

このフレームワークは,メソッドデザインのガイドであり,チェックリストでもある。これによって,完全な仕様書を作成することができる。

8つのシステム要素とは,次に示す通りである。

1 目的 システムの機能,使命,ねらい,ニーズシステムがどのようにではなく ,何を達成するかである。
2 インプット システムに投入される材料,人,情報,鉱石,トースター部品,紙,顧客,患者などのようにアウトプットとして加工されるものである。
3 アウトプット ロ的を達成するために,システムが生み出すものスチール製品, トースター,箱,あるいはサービスを受けた顧客,処置を受けた患者などのようなシステムの完成品,さらにスラグやスクラップのような副産物である。
4 手順 変換,変質あるいはインプットからアウトプットヘのプロセスに必要なステップ(これはメソッドデザインの核心である)小さなシステムでは,手順とは,作業者や作業者が実施する仕事のやり方の記述である
5 環境 肉体的,精神的,機構的,規則的,文化的,政治的,法律的なことを含むシステムの運用条件 たとえば,温度,照明,メソッドデザインに影響を与える組合協定または,労働安全健康管理規則等である。
6 人的要因(作業者) アウトプットの部分とはならない,手順の各ステップを援助する人的要因 作業者の行為,技量,責任,報酬を含む。
7 物的要因(設備)ア ウトプットの部分とはならない,手順の各ステップを援助する設備や物的資源.システムの運用に使われる設備やレイアウト である。
8 情報機器 アウトプットの部分とはならない,手順の各ステップを援助する知識や情報資源,たとえば, 指図,仕様書,チェックリストなどである。

各システム要素の5つの次元とは,次に示す通りである。

1 基本要素の基礎的 記述物的性格と仕様 what,how,where,who。
2 単位 システムのオペレーションにかかわる時間尺度.分当り生産量,時間当り顧客数など。
3 管理 要素の評価,および仕様通りの作業を行うよう修正する手続き単位当り必要な最低重量など。
4 インターフェイス 他のシステム次元に対するその要素の影響 たとえば,複雑な設備は,どの程度の訓練が必要かなど。
5 将来 計画的変更や調査の必要性どんな変更が予定されているかメソッドデザインに使われる2つのガイドとは次のようなものである。
制約条件 各要素のデザインにおいて考慮すべき最少限の制約や限界最終のメソッド仕様の部分であるべき条件や仕様。
正常性 各要素の最も重要で,正規あるいは通常の条件や仕様メソッドが正常なものとして取り扱うもの。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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