コラム・特集

2.11 新しい職務を設計するためのプロセス

IEハンドブック

第2部 職務とジョブ・デザイン

第2章 職務設計

2.11 新しい職務を設計するためのプロセス

新しい組職が設計されるとき ,もしくは既存の組織が著しく拡張しているとき,職務の設計は他の設計決定と体系的に統合されるべきである。一般的規則として,これらの設計プロジェクトは,4つのフェーズを通過する。

フェーズ1 運営委員会の構成

設計専門家のみによって,組織の設計を行うことはで きない。その設計によって影響を受けるすべての関係者が,その設計決定に関与すべきである。
以前われわれは,食品加工工場の事例を検討した。その工場の設計者は,職務設計基準を適用するために,投入材料の大きな包装に対して,産業全体にわたる変換を開始した。この決定は,品質管理マネジャー,人事管理マネジャーおよび運営委員会のメンバーである 他の人々を必要とした。 この設計過程において,広い参加のための段階を設けるために,新しい組織に直接利害関係をもっている重要な個人からなる運営委員会が構成される。運営委員会の機能は,(1)設計プロジェクト・チームに,必要な資源, 支持および保護,そして実施のための資源を提供すること,(2)設計タスクフォースとその設計決定によって影響される関係者との間の協力を生み出すこと,(3)設計目的をはっきりさせ,今後の普及を援助すること,(4)設計プロセスを監督し,指導すること,である。

フェーズ2 設計タスクフォース
データ収集,分析,そして設計案の案出は,設計タスクフォースによってなされる。このタスクフォースは,しばしば外部の建築家,エ ンジニア,職務設計コンサルタントを含んでいる。この設計はその企業の技術的,環境的特性を識別し ,さまさまな職務設計案のいくつかの「略図」を識別し,そして次により特定の技術的そして社会的設計決定を考慮することによって進行する.技術的,社会的設計決定は,既存の制度的前例,制約あるいは制限に時々直面する。フィロソフィー宣言が1つの生々しい文書としてそのテストを与えられるのは,その時である。

フェーズ3 フィロソフィー宣言
設計タスクフォースが運営委員会によって承認されると,設計タスクフォースの最初の仕事は,設計プロジェクトのための憲章とし て作用する,組織のフィロソフィーの宣言を起草することである。このフィロソフィー宣言は,次の問題を提出する。

・このプロジェクトの利害関係者とこのプロジェクトにおける彼らの利益。
・設計プロジェクトの目的・生産と技術の要求と要件。
・組織のメンバーとして職務を充足することに関係する個人の欲求と要件の明示的な承認。
・組織の環境と将来についての価値観と仮定。人間と仕事についての価値観と仮定。
・管理と管理者についての価値観と仮定。
・設計される組織と既存の制度との間の関係。設計の間の意思決定の過程 。
・始動の間と始動後の意思決定の過程。そのプロジェクトの発展的側面―始動後まだ設計されていないもの。
・実施のための資源・結果に対するリスク関係と 責任。
・参加,協力,そして支援の期待。価値観がすでに共有されている程度に応じて,フィロ ソフィー宣言を起草するための種々の方法がある。

フ=― ズ4 展開
既存の組織における職務再設計においては,管理者と監督者が新しい組織の設計に任命された後,職務設計のプロセスは,より参加的方式に移行する。この移行のための基本的戦略は,最小重要明細化の原理として以前に議論した運営委員会のメンバーの一人が,そ れをより通俗の言葉で次のように表現した.「 われわれは他の人々の労働生活を命令することを避けたいと思います.もしわれわれがそこで働いているわれわれ自身のためにその工場を設計するとすれば,多くの選択権が開かれたままであることを望むだろう」.組織が成長するにつれて,職務担当者はその設計を完全なものとするのを援助するために,彼らの経験を使用する.職務の連続的な再設計が,作業者の組織的タスクの1つとなっている。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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