コラム・特集

2.6 個人によって組織にもたらされる制約の分類

IEハンドブック
第2部 職務とジョブ・デザイン

第2章 職務設計

2.6 個人によって組織にもたらされる制約の分類

職務設計は,労働市場の技能と経験の現在の分類を考慮する。これはそれ自体で社会的決定である。というのは,設計者はしばしば職務を設計するために,労働市場の特定の区分を選択するからである。

個人の期待,価値観,そして過去経験から生じる要件あるいは制約は,かなり捕えにくい。第2次世界大戦後,イングランドのダーハムの炭鉱の作業の多くは機械化され,石炭採掘の手作業の方法は機械によって置き替えられた。機械化に伴って職務再設計が生じた。数世代にわたって,この地帯の鉱夫は小さく比較的自律的な組で働いていた。石炭採掘に固有の危険性と生産の不確実性は,高度の相互依存と協力,そして共同作業者の相互信頼を必要としていた。新しい職務設計は,採炭の風土には合わないワンマン/ワンジョブの作業方式を要求した。鉱夫は,それぞれ採炭の部門で働くために必要なタスクすべてを遂行するのに慣れていた。鉱夫たちはタスク割当てを受け入れようとせず,そして彼らの作業仲間を選考する権利を放棄しようともしなかった。その後,新技術を保有しながら,組タイプの職務設計に戻され,生産性は非常に高まった。

職務における多様性,チャレンジ,自律性に対する従業員の願望の問題について,活発な議論がこれまでにあった。深層のパーソナリティ特性が,あるタイプの職務に対する従業員の選好の基礎となるかもしれないと示唆する研究20もあれば,従業員の願望や期待は,単に文化, 家庭経験,そして準拠集団の価値の反映にすぎないということを示す実験や現場研究もある,職務設計努力の多くは ,自己実現予言の否定的原理か,高まる期待の肯定的原理,すなわち,社会が職場の内外で利用 できるより多くの機会を作るにつれて,従業員の期待は成長するという原理の,どちらかの原理に従って進められてきた。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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