コラム・特集

1.8 職務分析の一般的手続

IEハンドブック
第2部 職務とジョブ・デザイン

第1章 職務と課業の分析法

1.8 職務分析の一般的手続

 

多くの会社で採用されている一般的な職務分析計画には,職務在籍者の作業活動の観察と面接聴取,またはそのうちのいずれかによる職務関連情報の収集の部分,および職務記述書の作成(通常は要約的な文章記述)の部分からなっている。

この一般的な職務分析活動の経験を一番積んでいて熟達している組織は,米国労働省雇用訓練部(ETA)の職業安定局(USES)である。そこで採用されている手続きは,そこでの分析目的にだけ合わせたものではあるが,その運用と指針の幾つかは,一般的な職務分析計画を企画しようとしている他の組織(会社,労働組合など)にとっても,一般的に応用可能と考えられる。そこで,ここでの一般的な職務分析に関する議論は,米国職業安定局の運用に焦点を当てて行う。

一般的な職務分析の内容
最も一般的な職務分析計画は,一般的に言って,主要 な2つのタイプの職務情報を入手する目的で立てられている。すなわち,米国労働省のいう「遂行作業内容」(Work performed)と「作業特徴J(Work Characteristics)とである。この両者とも更に細かく分類されるが,それを米国職業安定局では「職務構成要素」(job-components)と呼んでいる。

これらの構成要素のそれぞれについて,当該職務を特徴付けたり,コード付けしたり,評定したりするための系統的な手続きが,米国労働省職業安定局によって用意されている。そうした手続きをここで取り上げることはしていないけれども,そうした職務構成要素によって意味される諸概念は,多くの一般的に行われている職務分析計画にも,きっと当てはまることであろう。

遂行作業の構成要素
遂行作業の構成要素には,ここで列挙する要素からなっている (USESが現在使用している用語法は,以前のものと多少異なっている場合がある。そのような場合には,以前の用語法,すなわち1972年版の『職務分析ハンド ブック』― the Handbook for Analyzing Jobs一 の編集の際に使用されたものも併記してある)

労働者機能(Worker Functions) ある職務が,その従事者に対して,データ,人,物 に関連して機能を発揮することを求めるそのやり 方のことである。それは,精神活動,対人関係活動,および身体活動として表現されていたものに当たる。

USESは,こうした労働者機能にある構造を持たせ,図表2.1.1に示すように,3つの範疇区分を設け,それぞれに序列付けができるような,一種の階層体系を作り上げている。職務記述には,これらの用語と,これに類似するその他動詞とが用いられ,それによって,その職務の幾つかの局面を完遂するために,作業者がどのようなことをするのかを示すようになっている。

作業分野(Work Fields)タイプの異なる技術や社会経済的目的を示すもので,作業がどのようなやり方で行われるのか,ある職務活動の結果として何がなされるのか,換言すると,その職務の目標は何かを表す。

具体的な技術に基づいて例示すると,「電気メッキする」や「研磨する」などがそれである。一般的な社 会目的に関していうと 「適応させる」 「健康を守る」 などがある。取り扱う対象のタイプに関しては,「動物飼育」「植物栽培」がある。また,特定の関連技術を結合したものに関しては,「機械加工」や「構造物製作―据付―補修」などがある。

作業手段(Work Devices、以前は機械,工具,装置,作業補助具一MTEWA と言われていたもの)作業者がその職務の特定活動を遂行するのに使用する機械,装置,工具ならびに作業補助具が含まれている。

資材′ 製品′ 取扱い事項,提供サービス(M.P.SM.S) この範疇には,①繊維,金属,あるいは木材などの, 加工される基礎資材,② 自動車,かご,などのような製作される最終製品,③経済学とか物理学などのような学問の世界で処理され応用されるデータ,④理髪または歯科治療などのサービス,が含まれている。

労働者特質(Worker characteristics)職務を立派に遂行するのに作業者に求められる特質,作業自体の特徴,ならびにそれが遂行される環境などを表す職務 分析の構成要素を内容とする。USES方 式で設けられているものには,次のようなものがある。一般学力(general educational development), 職務訓練期間,適性能,興味,気質,および,その職務の身体要件。

環境条件(Environmental Conditions) 作業者が,割り当てられた職責を果たしている間に曝露される特殊な環境条件のことで,た とえば,寒,暑,騒音,振動などがある。

考察

職務記述書の具体的内容の性格は,当然のことながら考えている目的によって変わってくる。しかし通常は, 遂行作業に含まれる事項として,すでに述べた遂行作業 の構成要素すべてに関係する問題,少なくとも環境条件に関連する一定の作業者特質(たとえば,職務を一人前に遂行するために重要とされるもの)がある。職務記述書の遂行作業の内容に関する部分には,職務内容の概要 (job summary)と,その職務に含まれている課業についてより詳細に記述した部分とからなっている場合が多い。

職務分析に関する専門用語の中で,職務分析の過程について「何を,どのように,なぜ」が引き合いに出されることがよくある。これは,人間労働を記述する際に,作業者は何をしているのか,どのようなやり方でしているのか,そうするのはなぜかの全貌が,記述の中で把握されているかどうかを確かめることが望ましいという趣旨を言った言葉である。ある場合には,「どのように」「な ぜJが暗黙のうちに明らかなこともあるが,もしこうした側面のすべてに,何か疑間の残る場合には,そうした 点を記述の中で明確にしておくべきである。

その作業者が「何をしているのかJについては,その職務で遂行する身体的,精神的活動に関する説明文の中で特徴付けられる。バトラー(Butler)が指摘するように,身体的活動では,作業者は,原材料を運ぶ,切断する,研磨する,段取りする,制御する,仕上げる,その他,加工物の位置や形あるいは条件を変えるなどの作業に,身体的努力を払っているであろう。精神的には,立案,計算,判断,または指示などの活動に従事しているであろう。ある場合には,自分自身または他人の払う身体努力を統御することも含まれていよう。

遂行される作業の「やり方」では,その職務の課業を遂行するために採用している方法,または手順が問題にされる。身体活動の場合には,これに機械類や工具,その他の装置の使用,所定の手続き,または定型的手順に従うこと,あるいは手の動きのようなある種の身体反応などが含まれる。

精神活動の場合には,ここに,計算機または方程式の使用とか,判断を働かせるとか,あるいは,考え方の選択や伝達なとが含まれよう。

その職務の「やり方」を考察する に当たり,バトラーは,次にあけるような疑間にすべて答えられるように,分析員は努めるべきだ,と示唆している。

・その職務の課業すべてを完遂するために,どのような工具,資材,装置を使用するのか ?

・観察した工具,資材,装置の他に何かないか? 観察していないものがあるとすれば,それはどのような働きをするものなのか ?

・その職務の課業を完遂するために,どのような方法,または工程が採用されているか ?

・同じ作業をするのに,それ以外でやれる方法または行程はないのか ?

職務分析を進める中で,「なぜ?」を明らかにすること,つまり,その職務の基本日的を明らかにすることは,分析員が真っ先に確定しようとし,また「職務の概要」の所に明示すべき事項である。

「職務の概要」の中に,その職務の存在理由を説明することの他に,個々の課業の記述についても,そのようなやり方をするのはなぜかについて若千指摘する記述を含めるべきであろう。それは,「何を」「どのようなやり方で」するかの説明の中で,はっきり記述されていない場合に行われるべきであろう。

個別課業に関する「なぜ?」は,職務の概要説明に合わせて,その職務の全体目標の達成に関連づけ,その課業目的を特徴づける記述になるのが普通である。

ある職務記述に関する次の部分は,職務の概要といくつかの課業を取り上げたものであるが,これは「何を」「どのようなやり方で」「なぜ」を明らかにするやり方を例示したものである。

職務(Job)普通旋盤エー 1級
職務の概要(Job Summary)普通旋盤を段取。

調整し,操作して,真輸または鋼の棒材やアルミニュームまたはマグネシューム合金の鋳造半製品を,航空機用′ 小物器具にするため(なぜ),それらが所定の厳格な許容誤差内に納まるように仕上げ加工する(何を, どのように)。

作業内容(Work Performed)一2つの課業についての説明例

①旋盤の段取り・調整(何を )一一機械加工すべき部分の諸元を決定するため(なぜ),青図を注意して調べ(何を),標準手順に従って(どのように),青図に明記されていない(な ぜ)諸元があればそれを算出し(何を),あるいは機械の調整準備をする(なぜ)。
②チャックで固定した台を回転できるように旋盤を段取調整する(何を)一旋盤にチェックや工具支持台 などの付属品を装着し(何を),機械工作をするのに必要な(なぜ),チャックや回転軸の主軸をネジ止め , または固定し(どのように),調整準備する。

一般職務分析における文体
かなり限定された文体が,職務分析関係者の間では幾分共通的なも のになってきている。それは,とくに職務記述書の文章の場合に言えるこれは,課業の記述に応用しようとして,『職務分析ハンドブック(1979年版案)』に説明されている。

課業の記述を記録に留める際に,従うべき文体は,次にあげる基本ルールに従うべきである。

1.文体は,不要な言葉をすべて省いて,簡潔,直 哉的なものとする。

2.時制は現在形で一貫する。

3.各文の主語は,書かれていなくても 「作業者 J を意味し ,「 作業者Jの代わりに「彼 」「彼女」などの代名詞を用いることはしない。

4 各文章は他動詞で書き出し,できる限り作業者 のやっていることを具体的に示す動詞を選ぶ(この一般的なやり方に対する例外は,「時々」とか「手腕を使ってJなどといった一定の副詞や副詞句を使用する場合で,これらは文章の最初のところで他動詞の前に置いてもよい)。

5.的確で,一義的に解釈できる言葉を選ぶ。

6.冠詞は省略する。

7.形容詞の最上級(「最大の」,「最善の」)とか,ある種の副詞(「 非常に」,「 完璧に」),形容詞(「複雑な」,「大きな」,「重い」 ,「小さい」)は使用しない。

8.簡単なよく知られている同義語に置き換え可能な,符牒,冗長な句,および聞きなれない言葉の使用を避ける。

9.技術的であまり知られていない術語や特殊,特異な機械,装置,工具,作業補助具,資材ならびに製品は,(  )をつけて定義するか,初出の際にアンダーラインを引き注釈欄で定義する。どの用語に定義が必要かは,職務記述書の利用対象者に想定して いる背景知識を考慮して決定する。

10.詳しい職務記述書では,要約文(書き出しの文章)の中で,各課業を紹介,要約する(簡易職務記述書の場合には不要かも知れない)。

しかしながら,若干の修飾語または修飾句を動詞の前 につけるべき場合もある。たとえば,ある特定の活動が遂行される状況を特定する場合に,「各週の終わりに, 報告書類をまとめて……に提示する」とか,あるいは「 [ ]頭で……を指定する」といった動詞を修飾する副詞が必要な場合などである。

文章の基本構造
職務記述資料はたいていの場合,そこにはある基本的な文章構造がみられ,それによって実際の職務記述は,ある程度標準化されたものになっている。

この基本文型は,『 職務分析ハンドブック(1972年版 )』で公表されているので,電話交換台の操作という「仕事― 作業者」場面(job worker situation)の例を示すと図表2.1.2のようになる。

「仕事―作業者J場面は簡潔に定義され,「分析」は 次にあげる 構成要素について行われる .

・動詞― ―労働者機能

・直接目的語― 主要原材料,工具,装置,ま たは作業補助具 .デ ータ ,人

・不定詞句
不定詞―作業 分野
不定詞の目的語――原材料,製品,取り扱い事項, 提供するサービス別の例を示すと下の表のとおり

ほとんどの作業活動について,それを記述するに当たっては,分析員は先に述べた文体と文型のタイプに留意すべきである。特徴的には,「労働者機能」(worker function)を表す動詞を使い,その動詞の直接日的語を示し,そのあとに,活動の「目的」,「理由」を示す不定詞句(この句は不定詞と目的語からなる)を置くべきである。

図表2.1.2に示す分析やこれ以外の例示は,明らかにおおげさである。そうした文章構造は,実際の職務記述に使用す 時には,他の記述素材にぴったり合う言葉が選ばれるのが普通である。活動目的の明瞭である場合には,不定詞句を省略することができる。

職務の概要
文章分析法を「職務の概要」に当てはめた例を示すと次のとおり

1.作業者の基本的な活動が分かるような他動詞で文章を書き出す動詞の主語は,常に「作業者」を意味していることを忘れないこと。例:「……の番をする」。

2.他動詞のあとには,使用する。機械また装置,その動詞の直接目的語を続ける。例:「 射出成型機の番をする……」

3 次に,不定詞句で,作業者の行為の目的を指摘する。これは,「 ……するために」と表現される。このようにして述べられた目的は,その課業をするのに採用した基本的な作業方法を表すものでなければならない。例:「 ……を成型するために,射出成型機の番をする」。

4.次に,不定詞句の目的語として,原材料ないし製 品を示す。例:「樹脂粒をプラスチック製場に成型するために,射出成型機の番をする」。

課業の記述

課業記述(Task descriptions)は, 通常,動詞と目的語からなる要約文で書き出される。この要約は,読む者に一般的な表現で,作業者が何をしているのかを示すことによって,その課業の範囲と内容について方向付けを与える役をする。

その後に続く課業記述は,特定の他動詞を選び,それで要約文を詳細に記述するほか,職務分析の過程で明らかにした「何を」「どのようなやり方で」「なぜ」を表すような,別の範疇の情報について記述していく

課業記述の一例を示すと次のとおり

「立木を伐採し,枝を切り落とすJ――①ガソリン駆動のチェーンソーを始動させるため,紐を引っ張る。②引き金を強く握ってチェーンソーを切断スピ ードに達するようにする。③切り倒したい方向に,立木にV型の切り口を入れる。 ④V型切り国の中央を,木の半分まで切って行く。⑤木のまわりを回って,反対側(背面)から完全に切って行き,切り口 の跳びはねや,ねじれの生じ た場合には危険を避けて跳びのく。⑥伐り倒された木の周囲を歩きながら 木の枝を払う(すべての枝を切り払う)。その際,枝 の直径や木の堅さに合わせて,切断スピードを加減するために,チェーンソーの引き金を強く握ったり,緩めたりする。切断中は,チ ェーンソーをしっかり木に押し付けて,節や堅い樹皮にはね返されないように注意する。

要約文の「木を伐採する」は,課業記述の中のはじめの5つの文章で,そのすべての活動がとらえら れていると言えよう。6番目の文章「伐り倒された木の周囲を歩きながら木の枝を払う 」は,その木が伐り倒された後の活動を説明したもので,木の枝払い作業を記述したものである(最後の文章は伐採,枝払い作業の両者に関係する記述である)。それゆえ,要約文は「立ち木を伐採し,枝を切り落 とす」ことを表現したものでなければならないのである。

要約文は,「データを整理する」 ,「生徒を教えるJ,「機械の番をする」といった基本動作を示す言葉で書かれてよいし,あるいは「ファイルを管理する」 ,「報告書を作成する」,「顧客からの問い合わせに回答する」といった別のタイプの動詞を使ってもよい。課業の説明が極めて簡単なものとか,詳しい説明がほとんどされていないような場合には,要約文をつける必要はないであろう。

 

職務記述の例
職務記述書の目的は,読者にその職務について,できる限り正確な印象を伝えることにある。それゆえ,分析員はどのようなやり方であれ ,目的に一番似あった方法で記述を組み立て,文章化すべきである。分析員は,何らかの与えられた職務記述の「見本」の,奴隷になるべきではない。このことを認識したうえで,ある職務記述書の部分的な記述例―工具設計者―を次に示すことにする。

「職務の概要 (工具設計者)」あらゆるタイプの生産機械について,使用する特殊工具,金型,治具,固定具を設計する。

「本 文」

1.工具の設計を大きく 左右する基本部分と機械の仕様 を決定するため,工具の使用条件に関わる問題を調べ る一―工具指定書を読み,完成部品の青図を検討し,作 業指示書の手順を分析して新しい工具を必要とする機械 作業かどうかを判断する.切削個所の形状を調べ,工具 設計を必要とする機械操作の,操作前後における部品の 諸元を計算する。工具設計の指針となる工具と部品の対 応関係を示す見取り図を描く.製作する工具を取り付け る機械を調べ,工具設計主任と相談して所要の機械工作 作業を行うのに必要な工具設計に関係のある決定を下す ための情報を収集する。次元,遊隙(clearance),許 容 精度 (注釈を参照のこと)を含む基本事項の決定内容に 合致する,機械と部品の見取り図を描く。

2.工具を設計する一―他の類似工具の設計図面を検討 したり,工具設計上の自分の構想を部品や機械に関して 蓄積されている仕様と比較したり,基本構想図や半詳細 図の図面を引いたりして,工具の形式や形状を考案する . 設計参考書,機械ハンドブック,機械技術者ハンドブッ ク,三角法,標準公式などを使って,工具の最終的な仕 様諸元や遊隙,許容精度などを詳細にわたって計算する . 完成工具の上面,正面,側面を示す組合せ図面を描く . 実際の使用状況を示す工具,機械,加工部品ならびにす べての諸元,許容精度,遊隙を示す図面を描く

3.資材や工程を網羅する工具仕様書を作成する一―機 械加工する部品,精度,工具と部品のゆとり,機械のス ピード,使用する冷却液,工具の予測寿命,お よび望ま しい仕様に関係するコスト などを考慮して,取 り 扱い業者 から購入できる市販の工具項目を選択する.購入部品の 場合と同様な材料の選択基準で,製作する工具に用いる 鋼材など,購入資材の仕様を決定する.製作または組付 けの仕様を決定する

4 工具の各部品についての詳細な図面を作成するため , 設計製図員に全体の組合せ図面の作成を割り当て,作図 法や手順について助言し,仕上がった詳細図面を審査する

5 大きさ,許容精度,遊隙,材料選択の問題,な らび に工具を製作,組み立てる際にぶつかるその他の問題に ついて,工具製作工に助言する

6.機械工作の要件に合わなかった場合には,工具の 設計をやり直す

 

 

「職務要件(Job Requirements)」

経 験: 不要
最低資格: 工具設計製図員 .
所要訓練: 最短訓練期間 . a… 未経験者……6カ 月 . b… 経験者……6カ 月 .
訓練内容 : 企業内(業間)訓
1練 : 工具設計見習
職業訓練: 技術学校または職業学校学科課程には代数学,幾何学,三角法,機械製図法,機械工作法,現場数学が含まれていなければならない。
訓練で習得される特殊な職務技能: 工具設計に関する基本原理工具設計の経験諸元の計算,青図や仕様の読解代数,その他計算に役立つ数学の知識
見習い制: 公式 × 非公式
所要期間: 5年設計製図

責 任

・適切で効果的な工具類 (穴あけ治具,回転台固定具,表面研磨や円筒研磨用の研磨治具,打抜き,貫通・成形用の型やゲージ)を 設計する責任。

・工具,治具,支持具,型,ゲ ージの正しい次元を決めたり計算する責任。

・設計製図員に組合せ図面の作成を指示する 責任。

・仕様書や青図と完成図面が合っているかどうかを確認する責任。

職務知識

・現場数学や製図法の知識が無ければならない。

・青図が読め,理解できること。

・マ イクロメー ターやバーニヤ,高 さ。 深さゲージ,カ リ パスを使用できること。

・工具設計,工具製作法,お よび機械工作な らびに金属類の特性に関する知識を持っていること。

 

応用力(Mental Application)― ―。

・工具設計に新し い着想を生み出したり,既存の設計を修正することができること。

・精緻で詳細な事柄に鋭敏で,精神集中できること。

・問題を解決するために,独 自に判断したり, 他人と話し合ったりできること。

・設計問題の解決に率 先実行しなければならない。

 

手腕の器用さと正確さ

・決算したり工具類を設計する際に精密でなければならない。1イ ンチの1万分の1以内の極めて精度の高い仕様を充たす必要のある場合が少なくない。

・作業指示書や仕様書,様々な測定具の目盛を,厳密,正確に読み取ることができること。

全般的注釈

一般に工具設計者は,工場で使用する様々の生産機械に使用するあらゆるタイプの工具類の開発に従事する。工具設計者は,工具または刃具の設計,治具または固定具設計,あるいは型設計といったそれぞれの領域の専門家として認められることはない。も っとも ,こうした専門領域の幾つかに,より多くの才能と興味,経験を持っている人はいる。監督者がそうした人に合った仕事を計画的に割り当てるわけである。時には,2人以上の工具設計者が1つの工具注文に取り組み,多く部分から構成される工具注文のうち,特定部分の工具の設計を各人が分担し合って設計することもある。代数,幾何,三角法,機械製図法,機械職場実習ならびに現場数学のヨ |1練を受けている,職業学校や工業高校の卒業生の場合は,仕事に従事させながら工具設計者になるための訓練をすることが可能なので,機械技術者が機械設計全般について,あるいは設計活動を監督または指導する能力を養成することについて,仕事を通じてその人たちを十三分に訓練することができる。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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